平野綾『RIOT GIRL』2008年07月20日 20時20分

★★★(満点は★×5)

既出の曲が多く、実質ベストアルバムと言えると思います。
満を持してのファーストアルバムなわけですから、もう少しアルバムオリジナルの曲が欲しかったところですが、そこは大人の事情なのでしょう。

みのりんや奈々さんに馴れてしまっている耳には、正直食い足りない内容です。
しかし、元より狙っているところが違うわけですから、単純に比較してもしょうがないでしょう。
ただ、ガールズロックとしてももうちょっと充実させる余地があったんじゃないかと思います。

あーやの声質からいって、ずっしりとボリュームのあるロックの方が向いているんじゃないかと思います。
明るいポップな曲も可愛いんですが、そればかりではもったいない気がします。
このアルバムでも、出色の出来は「Harmonia vita」。
畑さんの仄暗い歌詞と相まって、非常に聴き応えがあります。
ノリの良い曲の方が受けが良いんでしょうが、ただそれに迎合するだけでは、せっかく伸びしろが大きいのに、それを活かせないと思います。

進境著しいのは間違いないので、今後に期待というところでしょう。
しかし、スペースクラフトさんは一体あーやをどういう方向にもっていきたいんでしょうねえ。
老婆心ながら、いささか心配な今日この頃ではあります。