コバケン・ガラ(オールチャイコフスキープロ)@芸劇2008年06月08日 23時50分

クラシック好きを公言しながら、このところとんと演奏会とはご無沙汰しており、国内ではずいぶんまえに、やっぱりコバケンこと小林研一郎がチャイ5を振ったのに行って以来の演奏会です。
(昨年のアメリカ滞在時には、LAフィルとLAオペラに行きましたが)

プログラムは
・歌劇『エフゲニー・オネーギン』より「ポロネーズ」
・ヴァイオリン協奏曲(独奏:有希・マヌエラ・ヤンケ)
・交響曲第5番
とファン垂涎のチャイコフスキーづくし。
(オケはもちろん手兵日フィル)

席は頑張って2階5列目のセンターを取りました。
芸劇の2階は文化会館やサントリーよりも聴きやすく、見やすいと思います。

「ポロネーズ」は挨拶代わりの先付け。
日フィルはコンディションにバラツキがあるのですが、金管の好調さが伝わってきて、メインディッシュへの期待が高まります。

Vコンの有希(呼び捨てにすんな)は、名前に反してドイツ人とのハーフだけあって、コバケンより一回りでかい、堂々たる娘さんでした。
演奏も体躯に見合って堂々たるもの。
豊かな感情表現は僕の好むところですが、ただ第一楽章はちょっと表情をつけすぎかな、とも思いました。

圧巻は第3楽章。
猛スピードで飛ばす飛ばす。
コーダではオケが煽られている感じで、かなりドキドキしました。
(コバケン自身は落ち着き払っていましたが)
上原彩子と競演したPコンが僕のマイベスト協奏曲演奏ですが、それに次ぐ迫力でした。
(ちなみにこのPコンのフィナーレのコーダではコバケンも我を忘れてオケを煽りまくり、情熱と情熱が散らす火花が眼に見えるようで、とても興奮したのを憶えています)

アンコールにパガニーニの「24のカプリース」から第9番をやってくれたのですが、確かな技巧と美音に魅了されました。

休憩後、お楽しみのコバケン十八番のチャイ5。
第一楽章は金管が好調なのでとても緊張感に満ちていて、いつもとは違う風味。
全身がゾクゾクしてきます。

叙情的な第二楽章は、協奏曲で火がついたのか、弦のコンディションが非常に良く、いつも以上にド熱い演奏でした。
コバケンもよく唸るし。
主題が強奏で帰ってくるところは最高にエスプレッシーボで、手に汗握りました。

ちょっと箸休め的な意味合いの濃い第3楽章を経て、いよいよフィナーレへ。
オケの状態がいいので、最強奏でも強烈なアッチェレラントでも音が濁らず、血中アドレナリン濃度が上がりまくり。
ティンパニは革が破れんばかりに叩きまくってくれるので、音が耳だけでなく身体にまで伝わってきました。

コーダではオケを煽るだけ煽り、オケも必死でそれに食らいついていきます。
自然と聴き手も呼吸を忘れます。
最後は十分に間合いを取った和音で締め括り。
全ての音が消えた刹那に万雷の拍手とブラボーが鳴り響きました。

コバケンのチャイ5はもう何遍となく聴いていますが、いつも耳の渇きを癒してくれます。
緊張感と開放感という意味では、僕の知る音楽の中では随一です。

クラシックに興味のない人にもコバケンのチャイ5だけはぜひ一度聴いてもらいたいと思います。
この興奮を知らずに過ごしてしまうのは人生の損失です。

R25 SPEEDアニメトランス BEST2008年06月09日 23時53分

サイトに上げるまでもないのでこちらでレビュー。

我々世代が小学生時分に見ていたアニメの歌をトランスミックスしたアルバムということでかなり期待して買ったのですが・・・。

完全に期待はずれ。

まず音がゆるい。
カッチンコッチンの金属音を期待したのに、普通のアレンジのレベル。
テンポも普通だし。

そしてヴォーカルが素人レベル。
なんかもうがっかりです。

とりあえず最後まで聴き通したんですが、速攻でKRAFTWERKの「MINIMUM-MAXIMUM」で口直しならぬ耳直し。
最近のアニソンを集めたヴォーカルなしのもあるようなのですが、そっちはどうなんでしょうかねえ・・・。
これが良ければ買いだと思ったんですが・・・。

物欲の虜2008年06月10日 23時56分

コバケンの演奏会の帰りに我が音関係の畏友らぴさんとオーディオの話をして以来、「オーディオシステムを買い替えたい」病を再度発病。
2ちゃんの「ピュアオーディオ」板や、関連サイトをさ迷ったりしております。

いろいろ見ているうちに、「夏冬合わせればボーナスの手取りはざっくり100万だよなあ」とか割と冷静に考えている自分が怖いです。
そこまで出す覚悟があれば、PMCのOB1iとエソのX-05が買えるなあ、とか。

やはり大阪は日本橋にある「逸品館」さんでじっくりいろんなスピーカーを聞き比べる必要があるようです。
先日試聴したPMCのGB1iは衝撃的でしたが、いろいろ物色してみたところでは、ウィーンアコースティックやQUAD、パイオニアやクリプシュにB&Wなど気になる製品も多く、やはり愛聴盤を抱えて取っかえ引っかえ聴いてみないことにはおいそれとは決められません。

チューリップの「青春の影」と「I am the Editor」、茅原実里の「too late? not late...」と「Sandglass」、坂本真綾の「スクラップ」、Perfumeの「ポリリズム」、ビル・エヴァンス・トリオの「My foolish heart」、キース・ジャレットの「ケルン・コンサート(第一曲)」、KRAFTWERKの「FRANTZ SCHUBERT」、小林研一郎の「チャイ5(フィナーレ)」、ギュンター・ヴァントの「ブル5(フィナーレ)」が試聴曲になるでしょうか。

来月ゆうがが梅田で「雨に唄えば」をやるから、それにひっかけて大阪行ってくるかなあ。

スピーカー買ったらどうせCDPも欲しくなるからエソ買って、アンプも換えなきゃだから親父に焼酎かなんか奢る代わりに手作りの真空管のプリとパワー両方譲ってもらって、ああえらいことになりそうだなあ・・・。

少しでも資金の足しになればと思い、久しぶりに株の売買も始めるつもり。
損失の責任は張本人に取ってもらわないといけないので、再度飛島さんで。
彼のでき如何によって、買う物のレベルが上がるという仕組み。
何とか50万ぐらいは挽回してもらいたいもんです。

讃岐うどん2008年06月11日 23時55分

近所に「丸亀製麺」なる讃岐うどんのチェーン店がオープンしたので、冷やかしがてら行ってきました。

オペレーションが下手くそで、大して入ってもいないのに無暗に並ばされたのが減点ですが、うどんは一玉@280で、それに@100~130の天ぷらのトッピングという感じで、コストパフォーマンスは上々。

だしはちょっと化学の味を感じるものの、まあこんなもんかと思える範囲。
天ぷらは揚げたてなのでこれは良。
肝心の麺は、おそらくグルテンを強化した粉を使用していると思われるものの、それっぽい雰囲気はでており、茹で方も悪くない。
少なくとも「はなまるうどん」よりはずっとそれらしくできています。

気が向いたらまた来てもいいかな、という感じでした。

ただ不思議なのが、どうして街道沿いに座敷席まであるような店舗を作ったのか。
家族揃ってのんびり食うようなもんではないと思うのですが、しかし思惑通り家族連れも結構入っており、よく分かりません。
家族揃っての晩ご飯がうどんって、淋しくないですかね。

いわゆる讃岐うどんと呼ばれる、コシの強いうどんはやはり讃岐で食うに限ります。
そのほとんどがオーストラリア産の小麦を使用していたとしても。

6、7年前、うどんを食おうと思い立って香川県をうどん旅行した際に食べたうどんは、どれもこれも格別に美味いものでした。
安かったですし。
その当時で、一玉が@180、天ぷらが一つ@50で、冷やぶっかけに竹輪天とゲソ天をつけて@280とかいう感じでした。
(今は値上がっているのでしょうが)

忘れられないのが香川県庁裏にある、おばちゃんたちがやっている小さなうどん屋。
月曜日の朝早くに行ったのですが、県の職員を中心としているであろうサラリーマンで賑わっていました。
麺のコシ、のどごし、ともに素晴らしくマイベストうどんです。

今はどうか分かりませんが、その当時は高松市内にほとんどファーストフード店がないのが印象的でした。
うどん屋さんがマックを駆逐しているのでしょう。
地元の高校生も普通にうどん食ってましたからね。

またフラリとうどんツアーとかやりたいもんです。

ワタシのパパはアキバ系2008年06月12日 23時25分

例の秋葉原の事件を知ったとき、まず最初に思ったのは「親父は大丈夫か?」ということでした。
何しろ足繁くアキバに通っている人なもので。
(ちなみに地下鉄サリン事件の時も同じことを思いました。まさに霞ヶ関駅を利用している官僚だったもので)

幸いそれは杞憂だったわけですが・・・。
僕自身はオタクとはいうものの腐男子なものであまりアキバには立ち寄ることがないのですが、僕の親父は完全にアキバ系です。
とはいうものの、別にメイド喫茶に入り浸っているわけではありません。
「元祖」アキバ系というべきでしょうか、往年のオーディオ小僧なんです。

小学生の頃、今から半世紀以上前にお兄さんに連れられて鉱石ラジオの組み立てキットを買ったというのですから筋金入りです。
手前味噌ながら、今の親父はかなり腕利きの真空管アンプの作り手です。

往年のマランツやマッキントッシュの名器のレプリカも回路図と大昔の雑誌の記事を頼りに製作しちゃいましたし、前の持ち主が作りきれなかったラックスマンの真空管アンプ製作キットを格安で仕入れてきて、短時間で組んでしまったりしています。

最近はネットで回路図を仕入れることを覚え、いろいろな人がチャレンジして苦労している真空管ヘッドフォンアンプを、「一つコツがあるんだよ」と言いながら難なく使えるものに仕上げたりしています。
(ちなみにこれは今僕が愛用しています)

箱も自作するのがすごいところ。
アルミ板を買ってきて、旋盤で加工しています。

そんな人ですから、秋葉原にしょっちゅう真空管やトランスを仕入れに通っています。
金をかけずにいいものを作る、がモットーなので、そんなに高価な物は買ってきませんが、時折ヴィンテージものの国産真空管などを仕入れてきます。
「奮発しちゃったよ」とか言いながら自慢するのが\100の抵抗だったりするところがおかしいところです。

ガード下の、パーツ屋街が親父の「聖地」です。
僕が歩いても何が楽しいのかさっぱり分かりませんが、分かる人には分かるのでしょう。

そんなパーツ屋のおっちゃんの話を親父から聞いたことがあります。
最近はいい歳したおっさんだけでなく、若者の間にもちょっとした自作ブームみたいなものがあり、若い客も来るらしいのですが、彼らはスペック通り、マニュアル通りにしか物が作れないそうなのです。

例えば、マニュアルにあるのとはちょっと仕様が違う、しかしちょっとだけ手を入れれば十分に使える、あるいは無視できるレベルの差違のものが店頭にある場合、彼らは決してそれを手に取ろうとはしないらしいのです。
仮にそれが格安の良品であろうとも、あえて大枚はたいてスペック通りのものを買っていくそうです。

「そういうのを自分で調整するのが自作の醍醐味だと思うんだけどねえ」というのが店主の弁とか。

何となく、最近の時事的問題にも通ずる話だと思えてなりません。

また新作ができたから聴きに来てよ、と言われています。
僕にオーディオという趣味を与えてくれた親父には、感謝しています。