真空管アンプの特性2008年06月14日 09時53分

巷間真空管アンプはトランジスタに比べて「音が柔らかくてナチュラル」ということになっていますが、僕はちょっと違う実感をもっています。

音の解像度が高くモニター的な裸の音が鳴る、という認識です。
(デノンのアンプと比較して、の但し書き付ですが)

もっとも僕が聴いたことのある真空管アンプはいずれも親父の自作なので、一般論とは言い難いのは承知していますが、今まで5種類ほど聴いたいずれもが、多少の差違はあれそういう種類の音だったので、あながち間違ってはいないのでは、と思います。

音数の多いポップス、例えば上松さんアレンジの奈々さんの曲などは音が整頓されて曲の全体像がよく見渡せるので、かなり良い印象になります。
コーラスの重ね録りの曲、みのりんの「Contact」やチューリップのライブ盤なども、声の重なり具合が手に取るように分かり、僕は好きです。
(一方でコーラスにいわゆる和声的な、渾然一体になった響きを求める向きには、即物的に過ぎるかもしれません)

音の解像度に優れるということは、録音のクセを裸にしてしまうということでもあります。
アンプをデノンから真空管に替えて最初に聴いたのがあーやの「UNNAMED WORLD」だったのですが、正直「???」という感じでした。
デノンだと非常にパワフルなヴォーカルに聞こえていたのに、一転かなり痩せた、神経質な声に変わってしまい、「あーやってこんな声だったのか?」と思ってしまいました。

その後改めて「詰合」を聴くと、非常に力強いグイグイくるヴォーカルで、安心しました。
要は、前者はロックっぽさを強調するために声のエッジを立てたマスタリングをしているために、解像度の高いシステムで再生するとそれが仇になってしまう結果になっているようです。
味付けをしていない後者のほうは、あーやの息遣いまで聞こえてきて、生々しくて気持ちがいいです。

UNDER WORLDのライブ盤などを聴くと全ての音が明瞭に聞こえるので、興奮します。
真空管アンプはデジタル的な音源で実力を発揮する、というのが僕の持論です。

では真空管アンプにはどういったスピーカーを合わせるのがいいのか。
モニタースピーカータイプがいいのか、少し味付けをした方がいいのか。
こればかりは聴いてみないと何とも言えないので、やっぱりいろいろ試聴してみないとなあ、という結論に落ち着いてしまいます。

ずいぶん長く揺れるのでもしや、と思ってテレビをつけると、案の定東北で大地震。
ここのところ内外問わず天災が多いですね。
胡散臭い運命論みたいなのは御免被りますが、そういう気分になりたくもなります。