ワタシのパパはアキバ系2008年06月12日 23時25分

例の秋葉原の事件を知ったとき、まず最初に思ったのは「親父は大丈夫か?」ということでした。
何しろ足繁くアキバに通っている人なもので。
(ちなみに地下鉄サリン事件の時も同じことを思いました。まさに霞ヶ関駅を利用している官僚だったもので)

幸いそれは杞憂だったわけですが・・・。
僕自身はオタクとはいうものの腐男子なものであまりアキバには立ち寄ることがないのですが、僕の親父は完全にアキバ系です。
とはいうものの、別にメイド喫茶に入り浸っているわけではありません。
「元祖」アキバ系というべきでしょうか、往年のオーディオ小僧なんです。

小学生の頃、今から半世紀以上前にお兄さんに連れられて鉱石ラジオの組み立てキットを買ったというのですから筋金入りです。
手前味噌ながら、今の親父はかなり腕利きの真空管アンプの作り手です。

往年のマランツやマッキントッシュの名器のレプリカも回路図と大昔の雑誌の記事を頼りに製作しちゃいましたし、前の持ち主が作りきれなかったラックスマンの真空管アンプ製作キットを格安で仕入れてきて、短時間で組んでしまったりしています。

最近はネットで回路図を仕入れることを覚え、いろいろな人がチャレンジして苦労している真空管ヘッドフォンアンプを、「一つコツがあるんだよ」と言いながら難なく使えるものに仕上げたりしています。
(ちなみにこれは今僕が愛用しています)

箱も自作するのがすごいところ。
アルミ板を買ってきて、旋盤で加工しています。

そんな人ですから、秋葉原にしょっちゅう真空管やトランスを仕入れに通っています。
金をかけずにいいものを作る、がモットーなので、そんなに高価な物は買ってきませんが、時折ヴィンテージものの国産真空管などを仕入れてきます。
「奮発しちゃったよ」とか言いながら自慢するのが\100の抵抗だったりするところがおかしいところです。

ガード下の、パーツ屋街が親父の「聖地」です。
僕が歩いても何が楽しいのかさっぱり分かりませんが、分かる人には分かるのでしょう。

そんなパーツ屋のおっちゃんの話を親父から聞いたことがあります。
最近はいい歳したおっさんだけでなく、若者の間にもちょっとした自作ブームみたいなものがあり、若い客も来るらしいのですが、彼らはスペック通り、マニュアル通りにしか物が作れないそうなのです。

例えば、マニュアルにあるのとはちょっと仕様が違う、しかしちょっとだけ手を入れれば十分に使える、あるいは無視できるレベルの差違のものが店頭にある場合、彼らは決してそれを手に取ろうとはしないらしいのです。
仮にそれが格安の良品であろうとも、あえて大枚はたいてスペック通りのものを買っていくそうです。

「そういうのを自分で調整するのが自作の醍醐味だと思うんだけどねえ」というのが店主の弁とか。

何となく、最近の時事的問題にも通ずる話だと思えてなりません。

また新作ができたから聴きに来てよ、と言われています。
僕にオーディオという趣味を与えてくれた親父には、感謝しています。

これだからオーディオってやつは・・・2008年06月12日 23時26分

今週は残業が多いという上司の一言により早く帰るウィーク。
時間がいっぱいあるので毎日長い駄文をアップしているわけですが、今日は長いこと懸案だった真空管アンプをスピーカーにつなぐ作業を行いました。

前項の文章で書いた我が親父が製作した真空管ヘッドフォンアンプですが、スピーカー接続も可能となっており、親父からケーブルももらってきておりました。
しかし、スピーカーケーブルを繋ぎ換えるというのは結構な重労働なので、ずっとそのままにして今日まで来てしまっていました。

さて、接続していざ試聴というわけですが・・・。
これがいい!
僕はデノンのPMA-2000Ⅳを使っているのですが、少なくともこれよりはずっといいのです。

あんまり詳細に書くと徒に長くなるので手短に書くと、例えばPerfumeなんかだと、デノンだと無表情で歌っている感じなんですが、真空管だと微笑みながら歌っている感じなんですね。
余分な中低音が排除されるので、ヴォーカルの抜けがいいのです。

なので、奈々さんの声も一皮も二皮も剥けていい感じです。
もちろん奈々さん自身は端から皮が剥けているのですが、確実にデノンで聴くより魅力的です。

財津さんもみのりんも同様。
低音のぼわんぼわん感がなくなったので、ドラムの抜けが良くなってこれも高評価です。

大手メーカーの定価\130000の品より、素人が作った原価数千円のものの方がいい音を鳴らす。
音の世界ってのは奥が深すぎて困ります。