小田和正コンサートツアー「きっと またいつか」@東京ドーム2008年11月27日 23時25分

61歳でのドームツアーは最年長だということですが、当たり前です。
体力もそうですが、還暦を過ぎてそれだけの客を集められるアーティストなんて空前ですし、おそらく絶後じゃないでしょうか。

ちょっとモタモタしてしまってドームに着いたのが開演10分前(18:20)だったんですが、いまだドームの周囲には長い列がとぐろを巻いていました。
会社帰りの客が多いせいでしょう。
こりゃ入れるのは30分後だな、と思っていたのですが、手際のいい警備員が空いている入り口を案内してくれて、18:35には席に着くことが出来ました。

やれやれ、と一息ついたのも束の間、18:40には客電が落ちるじゃないですか。
当然まだまだ客は入場をしている途中です。
さすがは小田さん、とっとと入ってこない客の都合は関係なく自分たちの準備が出来たときが始めるとき。
それが許されるのも小田さんの人柄でしょう。

ステージはバックスクリーンの正面に作られ、客席には全て客が入れられていました。
2階席のてっぺんまで含めて満席。
グラウンドレベルも合わせれば、軽く聴衆は5万は超えていたんじゃないでしょうか。

ドームだからといって特別なことはありません。
バンドは、ギター・ベース・ドラム・サックス・キーボード・ストリングスと至ってシンプル。
アレンジも基本的に原曲通り、バンドメンバーがソロの妙技を披露するようなことはほとんどありません。
ライティング以外の舞台演出もほとんどなし。
小田和正がひたすら歌い、聴衆はその歌にただ聴き入るだけ。
最もあるべきライブのあり方だと思います。

年齢など関係のない、澄んだ高音に聴き惚れるばかりでした。
大好きな「思いのままに」を初めて生で聴き、まずここでじんわり。
(「誰にも僕の行く道を 止められない そうだろう 行かせてほしい」というサビの歌詞がたまらなくいいのです)
前半の最後は「生まれ来る子供たちのために」と「言葉にできない」だったんですが、ここで一気に涙腺が弛むことに。
生で聴く「言葉にできない」は反則です。
あの詞にあの声は反則です。

「さよなら」もやってくれました。
いまだオリジナルのキーで歌いきるんですから恐れ入ります。
地声は風邪をひいた中居正広みたいな掠れ声なのに、どうすればあんな美しい声が出るのか、不思議で仕方ありません。

小田さんのライブといえば、会場を所狭しと小田さんが駆け回る姿が恒例となっており、このドームもあちこちに行けるように通路が渡してあったのですが、どうも小田さんの様子がおかしい。
最初の数曲が終わった後のトークで、その理由が明らかに。
何でも、幕張メッセでのゲネプロ(!)で張り切りすぎて、チャリンコで走るシーンの練習で思いっきり転倒し、腰を強打してしまったとのこと。
相当痛いらしく、アンコールのあたりでは腰に手を当てて、歩くのもへっこらへっこらといった感じで痛々しい有様でした。
そんななのに、「気を遣うのとかはなしね。むしろケツ叩いて」なんて言うあたり、永遠のやんちゃ小僧っぷりは相変わらずで、微笑ましかったです。

とはいうものの、せっかくのドームで思うようにならないことにやはり忸怩たる想いがあったようで、とにかくよく歌ってくれ、僕はもっと短いだろうと思っていたんですが、ダブルアンコールは3曲、しかも最後はバンドを先に帰してギターの弾き語りで締めてくれました。
終了は22時過ぎ。
聴きたい歌はほぼ全部聴けた、至福の時間でした。

一つ気づいたのが、これは財津さんもそうですが、歌っている間は一切水を飲みません。
逆に喉を冷やしてしまうとかそういう配慮があるのかもしれません。
武道館10Daysとか、年間150本のライブとかをやってのけてきた団塊の世代は、やはり鍛え方が違います。

小田さんの話の中で面白かったのが、若い頃の希望として、企業のイメージソングをやりたいというのがあったそうです。
「歌で責任を取れるようになりたい」というのがその理由。
やっぱり小田さんも全共闘の時代を生きた人なんだな、と僕は妙に感心しました。

歌ってこういうもんだよな、歌を聴く悦びってこういうもんだよな、ということを再認識しながら、とても暖かい想いを胸に家路に着いたのでした。

コメント

_ What makes you grow taller during puberty? ― 2017年09月01日 12時34分

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