カッコ良く歳を取るということ2007年12月04日 23時20分

今日はアメリカとは全く関係ない話。

小田和正さんの「自己ベスト2」がオリコンのアルバム部門で初登場1位ということで、自身が持っていた1位の最年長記録を塗り替えたとのこと。
(僕も予約をして、今実家の方に届いています)

小田さんのすごいところは、あの美しい声もさることながら、還暦を過ぎてなおみずみずしいラブソングを作り、歌えること。
世界中見渡しても、小田さんのようなシンガーソングライターはまずいないと思います。

小田さんにせよ、僕の理想の男性像である財津和夫さん(小田さんと同学年)にしても、実に素敵な歳の取り方をしていて、憧れます。

見た目からして、20代のころより50を過ぎてからの方がカッコいい。
野望に満ちてギラギラしている20代・30代ももちろんカッコいいんですが、余計なものが抜けて、かえって男の色気だけがにじみ出てくるようになった50代が、一番男性としての魅力にあふれていると思います。
(太らず、禿げず、という点が大きく寄与しているのは疑いないですが)

変に頑張って若ぶったりしないし、かといって枯れてしまったりもしない、陳腐な表現ですが自然体を貫いている姿も、とても素敵だと思います。

若いころさんざん頑張ったんだから、もう今さら改めて頑張る必要もない。
歳を重ねた今だからこそ表現できるものを歌う、というのが二人に共通したスタンスです。

こういうのって実は今の自分にすごく自信があるからこそできる、ある意味厭味なスタンスなんですが、さらりとそれをやってのけてしまうところが魅力なのです。

同じ世代のミュージシャンで、「団塊の世代よ、まだまだ若いのだから元気出して頑張ろう!」なんてスタンスの人もいますが、こういう悪あがきっぽいのはやはりカッコ悪いですね。
若さを失った自分への自信のなさが透けて見えてしまうから。

まあ、日本の音楽シーンに革命をもたらしてきた人だからこそ、というのは確かですが。
(小田さん=オフコースは言うまでもないでしょうが、財津さん=チューリップも、日本で初めてコンサートをライブと呼んだり(1973年4月の渋谷公会堂でのコンサート)、日本人アーティストとして初めてワンマンアリーナライブや大規模屋外ライブを成功させたバンドなのです)

ついでのトリビアですが、オフコースってシングルでオリコンの1位取ったことないんですよ。
(小田さんがオリコン1位取るのは、「ラブストーリーは突然に」が最初)
「さよなら」ですら2位。
今や超有名曲ですが、「言葉にできない」なんか37位。
なのに、武道館10日連続コンサートや、東京ドームでの解散コンサートを実現させてしまうのですから、それだけ強くファンの心をつかんでいたということの証なのでしょう。
(ちなみにチューリップは「心の旅」で1位を取ってます)

カッコいい人というのは、裏付けのある自信に満ちた人だと思います。
ということは、カッコ良く歳を取るということは、年齢を重ねることに自信を持つということ。
年を経るにつれて当然失うものもあるけれど、それを補い、むしろ上回るものを得ていくということ。

相当に難しいことであることは承知していますが、こういう60歳になりたいな、と財津さんや小田さんを見るたびに思います。