同人誌はやめられない2007年12月28日 23時58分

僕の手許に、あることのお礼として友人からもらった、あるサークルさんの『ハルヒ』の古泉×キョンの分厚い再録集があります。

有り体に言って、絵は上手くない。
絵に関して言えば、もっと上手いサークルさんはいくらでもあると思います。

しかし、この本は中古同人誌屋では定価の数倍の値が付いており、サークルさん自体も、この冬コミでは壁に配置されています。

僕自身も、一読したときは大きな衝撃を受けました。

一言で言えば、やおいを読む悦楽に満ちているのです。

絵が上手くないので、例えば絡みのシーンでも即物的なエロさはほとんど感じられないのですが、やりきれない想いを抱えながら抱く・抱かれる二人の心情はとてもよく伝わってきます。

やおいの本質とは基本的に葛藤だと思います。
葛藤の中身は選ぶキャラによって異なってきますが、攻めも受けもとにかく葛藤に苛まれる。
苛まれながらも、身体を繋げずにはおれない。

その葛藤を、古泉とキョンのキャラを巧みに活かしながら実に巧みに描いている。
それが多くの人の共感を得ている理由だと思います。

こういう作品と巡り会えてしまうから、コミケに行くのをやめることができないのです。
市場には流れ得ない、しかし大変優れた物語を、同人誌は僕たちに与えてくれます。

もちろん数多ある同人誌は玉石混淆で、玉を探すことの方が困難ですが、優れた本に出逢えたときの喜びは面白い商業作品を見つけたときの比ではありません。

僕は二日目に行くことにしています。
(仕事が休みなら三日とも行くところですが、残念ながら本命の二日目しか休めませんでした)

今回はどんな出逢いがあるのか、今からテンションが上がります。