【真綾】DADDY LONG LEGS2012年09月07日 00時26分

※必然的にネタバレ多数となってしまいますので、観劇前の方の閲覧はご遠慮いただいた方が賢明かと思われます。

19時開演というのは社会人にはありがたい時間設定。
客席もかなり勤め帰りの人が占めていました。
男女比は圧倒的に女性が多かったです。
真向かいにある宝塚劇場とほぼ同じくらい。
おそらくいささか乙女チックなラブストーリーなので、ジャービス役の井上芳雄さんのファンと真綾ファンでも女性ファンが殆どということなのでしょう。
 
音楽は録音だと勝手に思っていたので、生演奏なのはうれしい誤算。
前方ど真ん中の席だったのですが、中抜けしないようにセンターにもスピーカーが置かれており、大変快適でした。

舞台は簡素で、場面転換は舞台のそこかしこに置かれた大きなトランクを移動させることで行われます。
その中に衣装が入っていて、ジルーシャが着替えることで時間や場所の移動を表現する仕掛けとなっており、良くできていると思いました。
真綾が衣装替えをするのを見るのは、何だかドキドキしました。

真綾の第一声を聞いてびっくり。
すっかりミュージカルの歌い方になっている。
もちろん、レ・ミゼラブルを長くやってきた、れっきとしたミュージカル女優でもあるので、当たり前なんですが、真綾の歌手としての歌唱しか聴いていない身としては大変新鮮でした。

真綾の演技は、情感たっぷりだけれどもコミカルな部分では程良い軽さがあって、嫌味がなく安心して見ていられます。
そして科白が安定しているのがすごい。
正味2時間と少々なんですが、真綾の科白と歌はおそらく1時間半はあると思います。
膨大な科白でしたが、1回もとちることなく、幾何の長い定理を早口で一息に読み上げるシーンでは圧巻の滑舌と科白回しで、拍手が起きました。

役への感情移入もものすごく深いです。
クライマックスでジャービスへの想いを吐露するシーンでは、眼を真っ赤にして、涙を一杯にたたえて、まさにジルーシャを目の前に見た気がしました。

ジャービス役の井上芳雄さんは、写真で見るよりずっとハンサム。
歌も上手く、人気があるのも頷けます。
このお話はジャービスが男として成長していく話でもあるのですが、その辺をすごく上手く演じていました。
配布されたフライヤーを見ると、殆どが井上さんが出る芝居と言っても過言ではないほどで、いつ稽古をしているんだろうと思ってしまいます。
ミュージカルもあれば、こまつ座(いわずとしれた故井上ひさしが座付き作者を務めた劇団)もあり、それもこの演技を見れば納得です。

最後、ジャービスとジルーシャがキスをするシーンは、年甲斐もなくドキドキしました。
これでちゃんとしたキスシーンがなかったら暴れるぞ、と思いながら、実際に至近距離で見せられると、鼓動が早くなってしまいました。

すれ違いや行き違いの末結ばれるという、古典的なラブロマンスを爽やかに、しかし情感豊かに演じた傑作です。
まっすぐな二人の恋に、そして表現者としての真綾のポテンシャルに酔わされた一夜でした。

コメント

_ manicure ― 2017年05月04日 16時08分

Hello, everything is going fine here and ofcourse every one is sharing facts, that's actually
excellent, keep up writing.

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://reallifecreation.asablo.jp/blog/2012/09/07/6566893/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。