【雑記】ダイエット2012年09月04日 23時52分

痩せる、という字はご存知の通りやまいだれの漢字なわけで、生命の本来の営みに逆行する状態なわけです。
従って、それ相応の苦痛と努力が必要なわけで、「楽に痩せる」だとか「○○するだけで痩せる」なんてのは嘘っぱちです。
少なくとも僕は自分の経験と照らし合わせてそう思っています。

僕は高校1年まで肥えていました。
身長は今と変わりませんが、80kgを超えていました。
(いまは63kgほどです)
そんなに野放図に物を食べていたつもりはなかったのですが、しかし肉中心の食事であまり野菜を食べませんでしたし、何より運動が嫌いで殆ど身体を動かすことをしなかったので、いつしかぱんぱんに膨れる羽目になってしまいました。

そして、そのツケが腰にきて、椎間板ヘルニアに。
歩くはおろか身じろぎするのも辛い状態になってしまいました。
(MRIで脊椎の写真を撮りましたが、ものの見事に椎間板のうちの一つが潰れてはみ出していました)
整形外科的治療も受けましたが、医師曰く最良の治療は体重を落として腰にかかる負担を軽減すること。
痩せろとの宣告でした。

当然のことながら運動でカロリーを消費することが出来ません。
となれば、カロリーの摂取制限をするより他ないわけです。
母親が病院の栄養士から励行を薦められたのが、糖尿病患者のカロリー制限食。
栄養バランスを守りながらカロリーを落とすのに最善のやり方というわけです。
本当に糖尿なわけではないので、塩分の摂取制限はありません。

確かカロリー制限の中では一番軽い1800kcalだったと記憶しています。
10代後半の男子ならば2500kcal程度は摂っても問題ないことになっているので、7割程度の量ということになります。
しかし、実際にはもっと摂っていたはずで、とにかく空腹との戦いでした。
最初のうちは、起きている時間はずっと空腹。
お昼の弁当なども半分程度の大きさになってしまい、昼休みが終わって5時限目が始まる頃にはもう腹が減る有様です。

しかし、空腹も辛いのですが、ヘルニアの痛みはもっと辛いので、とにかく歯を食いしばって頑張っていると、次第に胃が小さくなってきて、さほど空腹を感じなくなりました。
効果も覿面で、最初の2ヶ月は1週間に1kgずつ落ちていき、最終的に半年で18kgの減量に成功することになります。
同じくカロリー制限に付き合うことになった両親も減量でき、中年太りしかかっていた身体が若い頃の体重に戻ったのでした。

このとき落とした体重を今に至るまで維持しているわけですが、これはひとえに食習慣が完全に改まったおかげだと思っています。
野菜(根菜を除く)は殆どカロリーがないことになっていますので、減量中はお腹の中に入れる量を増やすために、必然的に野菜を大量に食べることになります。
結果すっかり野菜と魚中心の食生活に。

もう一つ大きいのが、様々な食べ物のカロリーを覚えたこと。
女子栄養大のメソッドでは、80kcalを1単位として、例えば鶏肉60gが1単位、というような計算をしていきます。
大体の食べ物の単位数を憶えたことは、一人暮らしをしていたときにカロリーを摂りすぎないようにするのに大いに役に立ちました。

栄養士さんが教えてくれた減量を成功させ、リバウンドさせないコツは2つ。
1つは低カロリー食材を使わないこと。
当時から「ヘルシーリセッタ」のような、脂肪になりにくいとされる植物油脂は発売されていましたが、そういうのに頼ると結局脂っこい物を好むという食習慣が改善されないことになってしまいます。
なので、正規の計算で全ての栄養素を決められた範囲内の量で摂取することが肝心になるわけです。

もう一つが、週に一度は好きな物を好きなだけ食べること。
減量中も、土曜日の晩飯は焼肉や唐揚げをたらふく食っていました。
それでも週に1kgのペースで体重が落ちていきました。
21回ある食事のうちの1回で羽目を外したところで大した影響はないし、逆にストレスの解消になります。
また、次第に胃が小さくなるので、羽目を外しても食べられる量がどんどん減っていくため、ますます影響が小さくなっていきます。

ダイエットとは食習慣を根本から改めることだと思います。
○○をして痩せる、というのは、裏を返せば○○をやめたらまた太る、ということです。
体重を落とす、ということだけに主眼を置くならば、運動で痩せるというのはあまり効果がないように思います。
プロスポーツ選手が引退するなりぶくぶく太るのを見ても分かる通りで、状態を維持するためにはずっと運動を続けなければいけないことになります。
食習慣は一度改めてしまえば、無理なくそれを継続させていくことが出来ます。

とはいえ、僕も空腹を超える苦痛があったからこそ成功したわけで、なかなか誰でも出来るということではないのかもしれません。