都響第680回定期演奏会Aシリーズ@東京文化会館2009年05月26日 00時51分

スメタナ:連作交響詩「わが祖国」全曲
1.ヴィシェフラト(高い城)
2.ヴルタヴァ(モルダウ)
3.シャールカ
4.ボヘミアの森と草原から
5.ターボル
6.ブラニーク

小林研一郎指揮 東京都交響楽団

生涯の耳の宝となる、本当に素晴らしい一夜でした。

昨年23年ぶりに都響と再会したというコバケンとオケの気合いは凄まじいものがありました。
殊にオケの状態が素晴らしく、どんなに力奏する場面になっても音が荒れることが全くなく、世界一流のオケに全く引けをとらない響きだったと思います。
布陣も、コンマスが矢部達也、チェロも首席二人が揃うなど、万全でした。

まず1の冒頭、ハープのソロが始まった時点で武者震いが来ました。
まさに吟遊詩人が語るかのように、オケが雄弁に建国神話を語りかけてきます。
各パートとも表情豊かでしたが、全曲を通じてティンパニが特に雄弁でした。

この日の白眉は2だったと思います。
冒頭のフルートはかなりのスピード、オケによる主題に入ってもギアは変わらず。
(このフルート、神演奏だったと思います)
豊かな響きだった前曲と異なり、息を飲む緊張感がホールを包みました。
一般的な大河の描写というよりも、その姿に事寄せたチェコの歴史にスポットを当てた表現だったと思います。
殊にクライマックスのド迫力は圧巻。
猛烈な強奏と加速に全身総毛立ちました。
僕が今までに聴いた中で最も凄まじい演奏だったと言えるかもしれません。

3~5も指揮者とオケが一体となった名演でしたが、また6が凄演でした。
冒頭のスフ教徒のコラールから気合い十分。
一方で中間部の木管ソロの掛け合いも大変美しく、その対比もまた見事でした。
そして圧巻のコーダが。
コラール主題で深呼吸をするように一気にテンポを落とした後で、ヴィシェフラトの主題が帰ってくるところで猛烈に加速。
オケ全員による熾烈な激奏となり、コンマスの矢部に至ってはものすごい力で踏ん張っていたらしく、椅子が後ろにずれてしまうほど。
最後の和音が消えるまで、呼吸を忘れました。

指揮者・オケ・音楽が一体となった本当に素晴らしいひとときでした。
こんなに濃密な響きを聴いたのは、初めてかもしれません。
興奮しました。

やっぱりクラシックは魂の肥やしになります。

コメント

_ manicure ― 2017年05月04日 12時17分

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