【坂本真綾】ツアー「ROOTS OF SSW」総括2013年04月29日 23時32分

結果的に名古屋初日以外の5公演の参加となりました。
一言で言ってしまえば、全てにおいて素晴らしかったということです。

まずはオールドファンほいほいなセットリスト。
ツアータイトルを見て、これは「花瓶」がくるな、と勝手に予想していたのですが、本当に来てくれて初日は武者震いがきました。
あとは何と言っても「スクラップ」。
今堀さんの前奏を聴いた時点で軽いめまいに襲われたものです。
あの曲をライブで歌いきってしまう真綾にも完全に脱帽です。
そして極めつけはあのメドレー。
「指環」の間にファルセットでの「約束はいらない」を挿入するなんてチートすぎます。
初日では全然泣くような雰囲気ではなかったのに、突然しゃくり上げ始めた自分にびっくりしました。
それ以降このタイミングで条件反射的に泣けてくるようになってしまいました。

新曲ではやはり「カミナリ」でしょう。
真綾は自分の声を楽器だと思っている、と言いますが、まさに楽器として巧みに操っており、他との違いをまざまざと見せつける一曲になっていました。
「ニコラ」の独特のリズム、「なりたい」の攻めの感情も素敵です。

歌ではありませんが、真綾の着替え時間に演奏された、「しっぽのうた」のピアノ連弾&パーカッションバージョンは本当に楽しかったです。
ピアノとパーカッションの掛け合いは即興で、ときに軽妙でときにスリリング。
そして真綾言うところの「おっさん2人」(実際そうなわけですが)の連弾は非常に可愛らしく、音楽を愉しんでいる様子がありありと分かり、聴いていて身体が動くほどでした。
演奏が終わると、真綾の歌に劣らない拍手が上がったのは当然でしょう。

音響の良さも特筆すべきでした。
真綾の歌が前面に出てくるのはもちろん、それでいて全ての音がはっきりと耳に入ってくるという理想的な環境でした。
ライブの幕開きでは今イチでも、進むにつれてちゃんと修正するところにスキルの高さを垣間見ました。
クライマックスにきても必要以上に音圧を上げないことも明らかに音が良い要因であり、そのへんは他の現場も見習ってもらいたいものです。

僕が聴いた5回の中のベストは東京初日でした。
CDデビュー記念日ということもあったのかもしれませんが、真綾のテンションが非常に高く、全力全開で、F1でいえば燃費やタイヤのことを気にせず猛プッシュをかけているような状態でした。
その日は旦那が来ていたという情報もあり、もしそれで張り切っていたのだとしたら可愛いところがあるというか、畜生!という感じですね。

可愛いと言えば、性懲りもなく生足で出てくるのでどうしてくれようかと思いました。
細くも太くもなく、まあどちらかといえば健康的な足で、あまり拝んだところで御利益があるわけでもありませんが、しかし生足には思わずテンションを上げてしまう自分がいます。
とはいえ、真綾に関してはやはり鎖骨がチャームポイントですね。
それが自分でも分かっているから、肩を出す衣装が多いのでしょう。
鎖骨のきれいさは、やはりその下のなさ加減が大きく影響しているのだと思いますが。

難を言えば、上手または下手よりの席だとバンドメンバーが見切れてしまう舞台上のセッティングはいただけないと思います。
見えなくても音はばっちり聞こえるので不足がないといえばそうなんでしょうが、せっかく当代一流のミュージシャンを揃えているのだから、工夫してもらいたいものです。

真綾の才能と実力は圧倒的だな、と再認識したツアーでした。
声優としていろいろな意味で前代未聞の領域に達している彼女ですが、今後どんな世界を我々に見せてくれるのか、本当に楽しみでなりません。

【GRANRODEO】G8 ROCK SHOW-FLASH NIGHT@横浜アリーナ2013年04月29日 22時23分

グランロデオのライブは開演前もお楽しみ。
そう、ナイスバディなロデオガールで眼の保養をするのです。
会場がでかくてスクリーンがあるので、スポーツの試合前のように客席に入っているカメラが客を抜いて映すという一幕があったのですが、おかしなコスプレをしているかナイスバディなガールだけを厳選して抜くまさにカメラマンGJ。
会場がどよめいたのが、Iカップぐらいはあろうかという、まさに雑誌のグラビアから抜け出たような爆乳のガールの乳を後ろから女友達が揉んでいる姿がアップになったとき。
あれは上がりましたねw。
その他にも、プリキュアみたいなガチコスしたガールや、スパイダーマンなど、見ていて飽きることがありません。

さて、肝心のライブもこれまた最高。
きーやんは好不調の波が大きく、不調のときは歌はともかく勢いだけで突っ走って乗り切っちゃう、みたいな感じになるのですが、この日は至って絶好調できーやんのセクシーなボーカルを心ゆくまで堪能することが出来ました。
瀧田さん完全復活もうれしかったですね。
ギターと見紛うばかりのメロディアスなベースがあってのグランロデオのライブなので、やっと本来の音が戻ってきたという感じでした。

セットリストもなかなか最近歌われることがなかった昔の定番曲も交え、割と早い段階からのファンとしてはうれしいものでした。
やはりいつ聴いても「21st century lovers」はテンションが上がります。
オーラスが「modern strange cowboy」というのは珍しい構成だったように思いましたが、最後の最後でぶっ壊れて終わるというのもなかなか清々しいものでした。

演出も凝っていて、新曲「偏愛のロンド」ではアニメ「カーニヴァル」の主題歌ということで、ダンサーさんがシルク・ド・ソレイユ風の幻想的なパフォーマンスを見せてくれたり、おきまりのギターソロではあろうことかギターに花火を仕込んで客席に向けて打ったり(客席に向けたのはハプニングだったようですが)、「桜色第2ボタン」では大量のピンク色のライブのロゴ入り風船が降ってきたりと、盛りだくさんでした。
こうした演出も変にごてごてしておらず、センスがいいので大変楽しめます。

ファンのスキルも高いのがこの現場の素敵なところ。
「SUPERNOVA」のBメロは5/4拍子なので腕振りを合わせづらいのですが、長めの2拍と短い2拍を組み合わせて巧みに揃えてしまいます。
変拍子なのにみんなの腕がぴったり揃っているのはなかなか壮観です。

とにかく楽しくて、久しぶりにテンションが上がりまくってライブ中ずっと右腕を振ってました。
グランロデオはやっぱり僕のライブ人生には不可欠なアクセントです。
コニファーも申し込んじゃいましたよ、ボッチだけどな。

【坂本真綾】LIVE 2012 TOUR “ミツバチ”@新潟テルサ2012年11月27日 00時03分

ライブの感想を一言でまとめると、真綾のライブは他の人のそれとは全くの別物だな、ということ。
他の誰かと比べるのは、Iさんの言葉を借りれば「うどんとそば、どっちがおいしい?」と言うくらい意味のないことだと思います。
以下、感じたことを気が向くままに。

2列目センターのちょい上手寄りでした。
人妻の全てが見えてしまいます。

まず最初に思ったのが「こいつ生足だ!」
しかもスニーカー履きでショートソックスなので、すね・ふくらはぎ・ひざまで全部丸出し。
無茶しやがる、と思いながら、よく言えば健康的なおみ足をもちろんガン見です。

そして、改めて真綾は肌がきれいだなあと思いました。
自信があるから肩を出す衣装をしょっちゅう着てるんだと思うんですが、メイクも舞台用のがっちりしたものではなく、ちょっとしたお出かけメイクくらいな感じなんですが、全然アラが見えません。
たいしたもんだと思います。

終盤のクライマックスでは、さすがの真綾もかなりな熱唱になるんですが、少しずつ真綾が汗ばんでくるのが分かるんですね。
いろいろな意味で「うはあ」と思って見ておりました。

そしてやっぱりちゃんと指輪をしている辺り、ぶれません。

バンマス・ギターの北川さんがどうもおとなしいと思っていたら、まさかのぎっくり腰。
座れないので新潟までの新幹線ではずっと立っていたのだとか。
それでも、終盤のクライマックスではがんがん弾いていたのですが、終わって落ち着いた曲になったとたんに、力尽きたようで立っているのもやっとと言った感じに。
アンコールでは、内田裕也みたいな杖をついて出てくる羽目になっていました。
(真綾がそれを見て盛んに「ロックンロールだねー」とか言っていたのが総スルーされていて、おかしかったです)

真綾も自分がぎっくり腰をやったときのことを話し出し、これは前にも聞いたな、と思っていたら、それが何と結婚式の5日前のことだったのだとか。
これは初耳でした。
「お辞儀できない新婦」とか言って、会場は大受けでした。

バンドメンバーで言うと、やはり佐野さん。
変態ドラマーがよく見える位置なので、真綾と佐野さんで忙しく視線のスイッチングを行っていたのですが、いつも以上に厄介だったような気がします。
アップテンポの曲では、激しく歌う真綾の後ろで、真顔で荒ぶる佐野さん。
内心「康夫それは叩きすぎだろう」と思いながら、めちゃめちゃ興奮しました。

真綾に話を戻すと、初めての新潟でのライブということで、ちょっと普段よりテンションが高いような気がしました。
いつも以上にぴょんぴょん跳ねていましたし、歌にも力がこもっていたように思います。

真綾は会場をその歌の世界で染め上げます。
ただ盛り上がる、しっとりするということではなく、会場の空気の色・温度が一曲一曲変わります。
聞き手はそれについていかなければいけないので、精神的にかなり消耗します。
とある曲で、真綾はにこにこ笑いながら気楽そうに歌っているのに、その歌声はどこまでも広がり、会場全体がふくらんでいくような錯覚に囚われました。
感動と言うより、それはむしろ怖いような感覚です。

表情がよく見えたので、顔の表情だけではなく瞳の表情が変わるのもよく分かりました。
指先も本当に表情が豊か。
歌いながら全身で表現しているのです。

ライティングや舞台演出も、真綾の世界観をよく把握していて、効果的に盛り上げます。
今回のツアーは、背中が寒くなるような瞬間が何度か訪れます。

真綾のライブのあとは、テンションが上がる一方で、「はあ・・・」という感じで疲れてぐったりもしてしまいます。
そして、あいつは何なんだろう、という気持ちになります。
今回のツアーはあと4回。
どこまで行ってくれるのか、楽しみで仕方ありません。

【みのりん】MINORI CHIHARA BIRTHDAY LIVE 2012@さいたまスーパーアリーナ2012年11月25日 00時48分

ここのところ朝イチに物販に並ぶということはしてきませんでしたが、節目のイベントなので、何というか「けじめを付ける」というような気持ちがあり、マイミクの皆さんと一緒に0630より並びました。

物販列は、僕の感覚では長くもなく短くもなく、午前中のうちに買うことができたので、まずまずの捗りだったのではないでしょうか。
さいたまゆえ日陰では風が吹くと寒い陽気でしたが、おしゃべりしたり写真撮ったりしてると時間が経つのは割と早かったです。

せっかくみんなで並ぶのに手ぶらなのも淋しいので、久しぶりにガトーショコラを作って持参。
みのクラの皆さんにお菓子作るのって、これが初めてだったでしょうか。
本当はシュークリームでも作ろうかとも思ってたんですが、前日が社員旅行ということもあり、さすがにきついと思って自重しました。
ガトーショコラならもう何遍も作っているので、何も考えずに作っても美味しくできるので。

物販終了後はいつもの焼き肉屋で昼飯。
あそこはアニサマみたいなイベントがあるときでも空いているので、重宝します。
人には教えたくない穴場ですね。

飯を食ったりまんぬと戯れたりしていると、プロデューサー(not滋)のコスをしたマイミクTさんが合流。
いいねいいね、こういうときのための45mm-F1.8だよ、とか思いながら、ばっちりカメラに納めました。

そうこうしているうちに開演時間が迫り、会場へ。
以下は起こったこと・思ったことを箇条書きに。

・席が通路に面していたので、やりたい放題。久しぶりに飛びまくったので後日ふくらはぎが歩行困難なまでの筋肉痛に。
・期待値が低かったとはいえ、割とまともな音がしてました。特に、箱鳴りしていたんだとは思いますが、ベースがちゃんと聞こえたのはありがたかったです。
(普段は全くと言っていいほど聞こえないので)
・セトリはかなり昔の曲が入っており、古参ファンには美味しい内容でした。もちろん聴きたかった曲はありますが、十分満足しました。
・セトリで個人的にグッと来たのは「サクラピアス」。とある企画のために、この歌をライトモチーフにした小説を書いたばかりだったので、一人じーんと来ながら聴いていました。
・インストも明るい感じで、非常に印象的でした。またじっくり聴きたいものです。
・「魔女っ子メグちゃん」(PV付き)には驚くと同時に、もちろん振りコピ。もしかしたら賛否あるのかもしれませんが、僕はあの髪型のみのりんも好きです。
・ケニー・ガンちゃん・大ちゃん登場には死ぬほど歓喜。「ラシュマ」でのケニーのコーラス、「フリドリ」での「ひとりぼっちだと感じた」の直後のクラッシュ2発、ともにこうでなくては!という感じで、泣きそうになりました。
(特に後者が響いたときには、連番のNさん・Aさんと顔を見合わせてガッツポーズでした)
・それにしても4時間オーバーという時間は予想外。ダブアンのコールのときに出入り口までダッシュして、打ち上げの予約をしていた店に電話をしてまたダッシュで戻るという羽目に。遠征する人もいるだろうし、ここまで長時間やるのならばそれとなく匂わすぐらいのことはしておいた方が良いんじゃないか、とちらっと思いました。

打ち上げのノリはいつもの通り。
最後の最後には噂の痛車も登場し、みのクラの集まりは相変わらず弾けて楽しいなあと実感した次第でした。

2月にFCライブの告知もされ、次のエサもぶら下げられたことで、また少し寿命が延びた心地です。
前回のアコースティックライブは正直いろいろな面で残念な感が否めませんでしたが、今回こそ生の音をバックにしっとりと歌い込むみのりんの姿を見たいものです。

【真綾】DADDY LONG LEGS2012年09月07日 00時26分

※必然的にネタバレ多数となってしまいますので、観劇前の方の閲覧はご遠慮いただいた方が賢明かと思われます。

19時開演というのは社会人にはありがたい時間設定。
客席もかなり勤め帰りの人が占めていました。
男女比は圧倒的に女性が多かったです。
真向かいにある宝塚劇場とほぼ同じくらい。
おそらくいささか乙女チックなラブストーリーなので、ジャービス役の井上芳雄さんのファンと真綾ファンでも女性ファンが殆どということなのでしょう。
 
音楽は録音だと勝手に思っていたので、生演奏なのはうれしい誤算。
前方ど真ん中の席だったのですが、中抜けしないようにセンターにもスピーカーが置かれており、大変快適でした。

舞台は簡素で、場面転換は舞台のそこかしこに置かれた大きなトランクを移動させることで行われます。
その中に衣装が入っていて、ジルーシャが着替えることで時間や場所の移動を表現する仕掛けとなっており、良くできていると思いました。
真綾が衣装替えをするのを見るのは、何だかドキドキしました。

真綾の第一声を聞いてびっくり。
すっかりミュージカルの歌い方になっている。
もちろん、レ・ミゼラブルを長くやってきた、れっきとしたミュージカル女優でもあるので、当たり前なんですが、真綾の歌手としての歌唱しか聴いていない身としては大変新鮮でした。

真綾の演技は、情感たっぷりだけれどもコミカルな部分では程良い軽さがあって、嫌味がなく安心して見ていられます。
そして科白が安定しているのがすごい。
正味2時間と少々なんですが、真綾の科白と歌はおそらく1時間半はあると思います。
膨大な科白でしたが、1回もとちることなく、幾何の長い定理を早口で一息に読み上げるシーンでは圧巻の滑舌と科白回しで、拍手が起きました。

役への感情移入もものすごく深いです。
クライマックスでジャービスへの想いを吐露するシーンでは、眼を真っ赤にして、涙を一杯にたたえて、まさにジルーシャを目の前に見た気がしました。

ジャービス役の井上芳雄さんは、写真で見るよりずっとハンサム。
歌も上手く、人気があるのも頷けます。
このお話はジャービスが男として成長していく話でもあるのですが、その辺をすごく上手く演じていました。
配布されたフライヤーを見ると、殆どが井上さんが出る芝居と言っても過言ではないほどで、いつ稽古をしているんだろうと思ってしまいます。
ミュージカルもあれば、こまつ座(いわずとしれた故井上ひさしが座付き作者を務めた劇団)もあり、それもこの演技を見れば納得です。

最後、ジャービスとジルーシャがキスをするシーンは、年甲斐もなくドキドキしました。
これでちゃんとしたキスシーンがなかったら暴れるぞ、と思いながら、実際に至近距離で見せられると、鼓動が早くなってしまいました。

すれ違いや行き違いの末結ばれるという、古典的なラブロマンスを爽やかに、しかし情感豊かに演じた傑作です。
まっすぐな二人の恋に、そして表現者としての真綾のポテンシャルに酔わされた一夜でした。