【みのりん】アルバム『D-Formation』2012年03月10日 10時57分

第一印象はあまりよくなかったのです。
僕は新譜を聴く際は敢えて他のことをしながら聴くのですが、一度も手を止めて歌に聴き入ることはありませんでした。
「X-DAY」のみのりんの語りの部分で一瞬手が止まったくらいです。

だいぶ聴き込んだ今となっては、個々の曲は結構良いのではないか、という評価に変わっています。
ライブではかなり盛り上がっちゃうだろうなあ、という予感が今からしています。

一番のお気に入りは「暁月夜」。
ラストの大サビがグイグイきますね。
「too late」もそうですが、お気に入りの曲は大体俊龍さんの曲です。

ただ、一歩引いて「アーティスト茅原実里」のことを考えると、諸手を挙げてというわけにはいかないかなあ、と老婆心ながら思うのです。

ゴリゴリの打ち込み&クリアーな歌唱というスタイルは、「またか」の感が否めません。
その路線の中では確かに進化しているのですが、得意な、やりやすいところから手をつけたんだろうな、という印象です。
たとえるなら、理数系が得意な子が数学の問題集ばかりやって得意気になっているような。
せっかく『SAL』では「書きかけのDestiny」や「孤独の結晶」など様々な表情(感情)を見せてくれたのに、また逆戻りしてしまったという失望があります。
よく言えば、原点回帰ってことになるんでしょうが。

「電脳世界のみのりん」というコンセプトは非常に分かりやすいのですが、もうちょっとひねるわけにはいかなかったのかな、と思います。
ジャケットも曲調も歌詞も歌い方もイメージを統一すれば、そりゃ世界観が出来上がるのは当たり前で、上っ面を整えたという印象が拭えません。
見栄えだけでなく、歌そのもので世界観を構築して欲しかったと思います。

真綾の『Driving in the silence』は冬をイメージしたコンセプトアルバムですが、そんなに冬の装いをしているわけではありません。
しかし、聴けば確かに冬の情景が見えてくる、冬に聴くべきアルバムだと思えてくる。
そういう成果を直近で耳にしてしまうと、物足りなく思えてしまいます。

明らかに世界観が異なるシングル曲がねじ込まれているのも、画竜点睛に欠く結果だと思います。
それらしく聞こえるように曲順に工夫はされているのは感じますが、余計です。

新しいアーティストとの取り組みも、「みのりんが彼らを使って作品を作る」のではなく、「彼らがみのりんを使って作品を作る」という結果になっているように思います。
僕はI'veというクリエイターのことをよく知っているわけでないので、的外れなことを言っているのかもしれませんが、曲を聴く限り、みのりんが使われている感を感じ取ってしまいます。

曲にせよライブにせよ本人自体の立ち居振る舞いにせよ、最近の真綾のあまりにも素晴らしい成果を見せつけられるに及び、いろいろなことの評価軸ががらりと変わったのは確かです。
もしかしたらあの天才と比較することには無理があるのかもしれませんが、そう思って諦めてしまうことはむしろみのりんに対して失礼であり、大好きだからこそ真綾に負けないくらいの大人のアーティストになって欲しいと切に願うのです。

大人の事情も含めて、難しいだろうなあとは率直に思いますが。

コメント

_ manicure ― 2017年05月05日 00時40分

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