マランツSACDプレイヤーSA-13S2降臨2009年09月06日 21時49分

オーディオの世界というのはF1の世界に似ていると思うんです。

個々人の好みがコースで、それに合うマシン(システム)を組む。
例えば、高速コースであるモンツァではダウンフォースを落としてストレートスピードを上げるのと同じように、エッジが立った硬めの音が好みであればそういう音になるようにプレイヤー・アンプ・スピーカーを組み合わせるわけです。

その伝でいくと、音楽ソフトは差詰めドライバーになると言えるでしょう。
最新録音のクラシックやジャズなどは、いわばシューマッハやライコネンみたいなもので、それなりのシステムでもそれなりの音がするし、よいシステムであればあるほど持ち味が活きてきます。
一方、我らがみのりんや奈々さんの録音はどうかというと、中嶋一貴、というかそこらのおばさんレベルであって、例えば総額で言うとベンツが買えるようなシステムで「Parade」を鳴らしたところで、近所のおばちゃんを今季のフェラーリマシンに乗せるような結果にしかならないことが往々にしてあるのです。
(秋葉原のダイナミックオーディオで、VIENNA ACCOUSTICやSONAS FAVELのスピーカーでみのりんや奈々さんを鳴らしたときのひどい音が忘れられません)

従って、僕が求める「よいシステム」というのは、ダメな録音もそれなりに鳴らすことができる、ダミープラグみたいな性能を持つシステムということになります。

さて、前置きが長くなりましたが、先日発注したマランツの最新の野心モデル、SA-13S2が昨日手許に届きました。
スムーズな受け取りのため職場に届くようにしたのですが、10時前に届いてからというもの早く帰って鳴らしてみたくて、ずっとそわそわしていました。

一言で言うと、歌声を前に押し出すスキルが異常。
Suaraさんや真綾のような録音のよいソースは言わずもがなですが、みのりんや奈々さんといった録音がよくないソースについても、ボーカルを活かす鳴らし方をしてくれるので、訊いていて非常に気持ちがいいです。

そして、音の分離とSN比が非常にいいのは15SAと同じなんですが、15SAだと全ての音がかっちり鳴りすぎて煩わしく感じられるところがありましたが、13SAはそうならないようにギリギリのところで抑制を利かせている感じで、非常に聴きやすいです。
例えばトモチャンのようにバックがせわしなく鳴るような曲でも、バックがうるさくならず、みのりんの歌を十二分に楽しめます。

とにかく女性ボーカルと非常に親和性の高いシステムとなりました。
一方で低音もかなりソリッドに鳴り、高音の輪郭もかなりくっきりしており、僕好みのエッジの立った音をしています。
ノートPCが買えるほどの投資をしましたが、安いものだったと言えるでしょう。

ひたすらCDを聴きたおす日々が続きそうです。