今さらながら再度田母神問題について ― 2008年11月15日 13時34分
先日の参考人質疑は、野党議員のだらしなさを露呈させるものでしかなかった。
そして、この国が抱えている歴史認識の問題の本質を図らずも露呈するものであった。
野党議員の田母神氏追及の論拠は「公式政府見解と180度異なる見解を政府高官、しかも防空を担う最高司令官が公表するのはけしからん」というものであるが、その言い方では田母神氏の「それは政府による言論統制だ」という反論が一定の説得力を持ってしまう。
もちろん不文律として「公職にある者に相応しい発言」という概念はあるにせよ、政府の見解と一言半句違わぬことしか言えぬのであれば、それは確かにスターリン時代のソ連のような国家になってしまう。
それに、そもそも田母神氏は自分の発言が政府見解と異なっているとも思っていないわけで、そんな人間にそういう言い方をしても子供のケンカにしかならない。
一方で、ごく最近あった「関東大震災は関西にとってチャンス」発言。
これを批判するのは容易であった。
何故なら、発言者の真意は別のところにあるにせよ、誰の眼から見ても人の不幸を踏み台にしようとする表現にしか見えないからだ。
誤りを指弾し、訂正を要求することは容易かった。
この問題がいつまで経ってもすっきりと解決しないのは、この「誤りを指弾する」ということが誰も出来ていないからだ。
彼の発言を誤りとしてそれを指弾するのであれば、田母神氏が侵略ではないとしてあげた過去の事件に対して一つ一つ反証を挙げ、やっぱり日本が行ってきたことは侵略行為だったのだということを証明せねばならない。
しかし、尋問当日の野党議員はもちろん、僕が知るかぎりこうした声を聞くことはない。
ここに今の日本の歴史認識の危うさが潜んでいる。
日本がアジア諸国にしてきたことは誤りだったとは思っている。
しかし、どこがどう誤りだったのかを論理的に把握をしてはいないのだ。
従って、反対意見に対して有効に反論することが出来ない。
一方で、侵略行為を否定する人たちは、それを証明するための論拠をあれこれ提示し、言うなれば理論的に自分の考え方を信じている。
正誤は別にして、土台がしっかりしているからその思想は非常に堅固だ。
いわゆる15年戦争の時代に行ってきたことを誤りだとするならば、どこがどう誤りだったのかを検証し、それを認識することによって論理的に反省しなければならない。
それが出来ていないから、田母神論文のようなものが生まれてしまうのだ。
日本政府は今一度自らの過去を整理し、何を以て我が国は反省しなければならないのかを問い直すべきである。
今回の問題は、そのための良いきっかけになると思う。
そして、この国が抱えている歴史認識の問題の本質を図らずも露呈するものであった。
野党議員の田母神氏追及の論拠は「公式政府見解と180度異なる見解を政府高官、しかも防空を担う最高司令官が公表するのはけしからん」というものであるが、その言い方では田母神氏の「それは政府による言論統制だ」という反論が一定の説得力を持ってしまう。
もちろん不文律として「公職にある者に相応しい発言」という概念はあるにせよ、政府の見解と一言半句違わぬことしか言えぬのであれば、それは確かにスターリン時代のソ連のような国家になってしまう。
それに、そもそも田母神氏は自分の発言が政府見解と異なっているとも思っていないわけで、そんな人間にそういう言い方をしても子供のケンカにしかならない。
一方で、ごく最近あった「関東大震災は関西にとってチャンス」発言。
これを批判するのは容易であった。
何故なら、発言者の真意は別のところにあるにせよ、誰の眼から見ても人の不幸を踏み台にしようとする表現にしか見えないからだ。
誤りを指弾し、訂正を要求することは容易かった。
この問題がいつまで経ってもすっきりと解決しないのは、この「誤りを指弾する」ということが誰も出来ていないからだ。
彼の発言を誤りとしてそれを指弾するのであれば、田母神氏が侵略ではないとしてあげた過去の事件に対して一つ一つ反証を挙げ、やっぱり日本が行ってきたことは侵略行為だったのだということを証明せねばならない。
しかし、尋問当日の野党議員はもちろん、僕が知るかぎりこうした声を聞くことはない。
ここに今の日本の歴史認識の危うさが潜んでいる。
日本がアジア諸国にしてきたことは誤りだったとは思っている。
しかし、どこがどう誤りだったのかを論理的に把握をしてはいないのだ。
従って、反対意見に対して有効に反論することが出来ない。
一方で、侵略行為を否定する人たちは、それを証明するための論拠をあれこれ提示し、言うなれば理論的に自分の考え方を信じている。
正誤は別にして、土台がしっかりしているからその思想は非常に堅固だ。
いわゆる15年戦争の時代に行ってきたことを誤りだとするならば、どこがどう誤りだったのかを検証し、それを認識することによって論理的に反省しなければならない。
それが出来ていないから、田母神論文のようなものが生まれてしまうのだ。
日本政府は今一度自らの過去を整理し、何を以て我が国は反省しなければならないのかを問い直すべきである。
今回の問題は、そのための良いきっかけになると思う。
コメント
_ らぴ ― 2008年11月15日 15時20分
_ aokira ― 2008年11月18日 01時16分
結局のところ、あの戦争を悪い、と思っていない国民が多いのでしょう。だからマスコミも正面切って、主張の中身を批判しないのでしょうね。
まぁこういう考えの方々は、アメリカやオーストラリアで、人種差別を悪いことと思っていない白人と同じでしょう。
彼らは国家国益主義としてのナショナリストではなく、民族の誇りを汚されないことが、日本国の国益であると思っているのでしょうね。つまり、過去志向の民族主義なのです。
彼らにとっては、今後の日本の自立的なプレゼンスの拡大などどうでもいいのでしょうから、そもそも議論の目的が合致しません。
アジアと過去をめぐって喧嘩していては、アメリカの属国のまま、いいように使われて没落するだけじゃないですか。
万歩譲って、侵略行為が事実ではなくとも(私はそうは思ってはいませんが)、日本の未来のために、謝罪すべきと考えるのが本当のナショナリストです。
そもそも、歴史は勝者が作るものなのですから、負けておいて文句を言っても仕方がありません。これから勝つためには(=国際的プレゼンスを向上させるためには)、どうしたらいいかを考えば、自ずと答えは出るはずです。
田母神問題の大きな論点は、そういった国益を第一に考えれない人間が、最高幹部として認められてしまう、この国の貧弱な価値基盤でしょう。
まぁこういう考えの方々は、アメリカやオーストラリアで、人種差別を悪いことと思っていない白人と同じでしょう。
彼らは国家国益主義としてのナショナリストではなく、民族の誇りを汚されないことが、日本国の国益であると思っているのでしょうね。つまり、過去志向の民族主義なのです。
彼らにとっては、今後の日本の自立的なプレゼンスの拡大などどうでもいいのでしょうから、そもそも議論の目的が合致しません。
アジアと過去をめぐって喧嘩していては、アメリカの属国のまま、いいように使われて没落するだけじゃないですか。
万歩譲って、侵略行為が事実ではなくとも(私はそうは思ってはいませんが)、日本の未来のために、謝罪すべきと考えるのが本当のナショナリストです。
そもそも、歴史は勝者が作るものなのですから、負けておいて文句を言っても仕方がありません。これから勝つためには(=国際的プレゼンスを向上させるためには)、どうしたらいいかを考えば、自ずと答えは出るはずです。
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_ How do you treat a sore Achilles tendon? ― 2017年09月01日 14時38分
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個人的には妄想を事実だと思い込んでるレベルの人が多いようには思いますけどねぇ。論拠自体も、妄想が引用に引用を重ねるうちにロンダリングで論拠になったようなものもありますし(コミンテルン説とか)。
ちなみにタモさんの作文を検証する記事の画像↓
http://tech.heteml.jp/1111asa.jpg
朝日の記事ですが、タモさんも引用してるように自虐史観には否定的な秦郁彦氏なのでそれほどの偏向はないかと。
それはさておき、右は旧日本軍の賛美ばかりで左は中韓への媚びへつらいばかり。思いをはせるべきは空襲や原爆あるいは沖縄の地上戦でで命を落とした一般市民や、特攻隊などに招集されて犬死させられた若い兵士たちのことだと思うのですが……