【チューリップ】4oth Memorial Tour "The Live"@仙台・盛岡2013年05月19日 22時56分

僕にとって
・アーティストはモニタースピーカーの音を聴いて演奏する
・MCは一言二言
・歌いながら水なんか飲まない
・ギターやベースにはケーブルが繋がっている
というのがライブのスタンダードな姿だったので、近年になって声優さんのライブに参加するようになって上記の事柄全てが当てはまらないので、へえと思ったものです。
上の3つはともかくとして、何で今はみんなワイヤレスなんでしょうね。
ギターやベースが舞台上を動き回って、ケーブルが絡まりそうになったら舞台袖からローディーが飛んできて素早く捌く、という光景に萌えるのですが、声優さんのライブでは各楽器に一人ずつローディーがついたりはしないんでしょうか。

東北に来た、といったところで何が変わるわけでもなく、ライブの中身はいつも通りだったのですが、僕が見てきた中では仙台が一番メンバーのテンションが高く、熱い公演だったように思います。
特に「Shooting star」での盛り上がり方が、それ以前の公演とは違っていました。
圧倒的に美しいコーラスが安部さんの詩情たっぷりのギターと共に熱を帯びて殊更に輝いており、思わず涙ぐんでしまいました。
メンバーも感極まっていたようで、次の「心の旅」では姫野さんが珍しく涙を堪えながら歌っていました。

メンバーを後押ししたのが客席の盛り上がり。
どこの会場よりも盛り上がっており、黄色い歓声も多かったです。
それに応えてか、今年に入ってからアンコール2曲目が「私のアイドル」から「あの娘は魔法使い」に変わっていたのを、元に戻して歌われました。
後者の方がキーが低いので、安全を見て今年からそちらにしたのでは、と勝手に思っているのですが、盛り上がりはやはり前者の方が上。
イントロが始まった途端に会場のボルテージが爆発して、大盛り上がりとなりました。
盛岡でもこれは変わりませんでした。

演奏しているのは一人を除いて60代だし、客席も大半が40代以上なわけですが、僕が出入りしているライブの中で一番熱いのがチューリップのライブだと思います。
ファンのアーティストや楽曲に対する「好き」の度合いが比較にならないほど深いのですから、ある意味当然と言えるかもしれません。

メンバーも全然老け込んではいません。
何より演奏する姿がカッコいいのです。
安部さんの音の最後に左手を素早くネックの上を滑らす仕種や、上田さんの右手でスティックを回す仕種など、他の現場のアーティストが敵うべくもありません。

今では縁あっていろいろなアーティストのライブに参加していますが、一番好きなアーティストはやはりチューリップで、これは揺るぎません。

【クラシック】都響第752回定期公演Aシリーズ2013年05月12日 00時38分

モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番「ジュノム」
ブルックナー:交響曲第9番
指揮:エリアフ・インバル
ピアノ;児玉桃
東京都交響楽団

モーツァルトは初聴きでしたが、なかなか可憐で素敵でした。
何より、ここのところ千尋さんのエモーショナルというか、とにかくぶっ叩くピアノばかり聴いていたので、何だか心洗われるような気がしました。
ただ可愛い一辺倒ではなくて、フィナーレではピアノのカデンツァから始まるなど、なかなか一筋縄ではいかないところがモーツァルトらしいところといえるのでしょう。

ブルックナーは圧巻の一言。
生で聴くのは今や伝説と言ってもいいヴァント&北ドイツ放送響の来日公演以来ですが、それに劣らぬ畢竟の名演でした

基本的には遅めのテンポながらも、機械的なインテンポではなく、曲の表情に合わせて作為的にならないよう自然にテンポを操作していました。
細部の彫りも深く、金管やホルンを効果的に鳴らすことはもちろん、低弦や木管についても細かいところまで気を配っており、迫力と繊細さを巧みに両立させていました。

特筆すべきは都響の上手さ。
最後まで力強さが衰えることなく、かつ正確な演奏でインバルの表現を完璧に音にしていました。
最後まで金管が息切れしなかったことにまずブラボーでした。
第一楽章のクライマックスではどこまでも膨らんでいくような素晴らしいクレッシェンドを聴かせてくれましたし、第三楽章の天使のラッパも実に輝かしく、心奪われました。
最大で9本というホルン部隊も分厚い音で強力にインバルをバックアップ。
弦もどんなに強く力奏しても力任せになることなく、またアンサンブルも乱れませんでした。
スケルツォが圧巻だったことは言うまでもありません。
木管は繊細で美しく、厚塗り一辺倒ではない曲の魅力を十二分に引き出していました。

平日にもかかわらず、ホールは5階席まで満席。
さすがにこのプログラムはみな聞き逃せないと思ったようです。

【坂本真綾】ツアー「ROOTS OF SSW」総括2013年04月29日 23時32分

結果的に名古屋初日以外の5公演の参加となりました。
一言で言ってしまえば、全てにおいて素晴らしかったということです。

まずはオールドファンほいほいなセットリスト。
ツアータイトルを見て、これは「花瓶」がくるな、と勝手に予想していたのですが、本当に来てくれて初日は武者震いがきました。
あとは何と言っても「スクラップ」。
今堀さんの前奏を聴いた時点で軽いめまいに襲われたものです。
あの曲をライブで歌いきってしまう真綾にも完全に脱帽です。
そして極めつけはあのメドレー。
「指環」の間にファルセットでの「約束はいらない」を挿入するなんてチートすぎます。
初日では全然泣くような雰囲気ではなかったのに、突然しゃくり上げ始めた自分にびっくりしました。
それ以降このタイミングで条件反射的に泣けてくるようになってしまいました。

新曲ではやはり「カミナリ」でしょう。
真綾は自分の声を楽器だと思っている、と言いますが、まさに楽器として巧みに操っており、他との違いをまざまざと見せつける一曲になっていました。
「ニコラ」の独特のリズム、「なりたい」の攻めの感情も素敵です。

歌ではありませんが、真綾の着替え時間に演奏された、「しっぽのうた」のピアノ連弾&パーカッションバージョンは本当に楽しかったです。
ピアノとパーカッションの掛け合いは即興で、ときに軽妙でときにスリリング。
そして真綾言うところの「おっさん2人」(実際そうなわけですが)の連弾は非常に可愛らしく、音楽を愉しんでいる様子がありありと分かり、聴いていて身体が動くほどでした。
演奏が終わると、真綾の歌に劣らない拍手が上がったのは当然でしょう。

音響の良さも特筆すべきでした。
真綾の歌が前面に出てくるのはもちろん、それでいて全ての音がはっきりと耳に入ってくるという理想的な環境でした。
ライブの幕開きでは今イチでも、進むにつれてちゃんと修正するところにスキルの高さを垣間見ました。
クライマックスにきても必要以上に音圧を上げないことも明らかに音が良い要因であり、そのへんは他の現場も見習ってもらいたいものです。

僕が聴いた5回の中のベストは東京初日でした。
CDデビュー記念日ということもあったのかもしれませんが、真綾のテンションが非常に高く、全力全開で、F1でいえば燃費やタイヤのことを気にせず猛プッシュをかけているような状態でした。
その日は旦那が来ていたという情報もあり、もしそれで張り切っていたのだとしたら可愛いところがあるというか、畜生!という感じですね。

可愛いと言えば、性懲りもなく生足で出てくるのでどうしてくれようかと思いました。
細くも太くもなく、まあどちらかといえば健康的な足で、あまり拝んだところで御利益があるわけでもありませんが、しかし生足には思わずテンションを上げてしまう自分がいます。
とはいえ、真綾に関してはやはり鎖骨がチャームポイントですね。
それが自分でも分かっているから、肩を出す衣装が多いのでしょう。
鎖骨のきれいさは、やはりその下のなさ加減が大きく影響しているのだと思いますが。

難を言えば、上手または下手よりの席だとバンドメンバーが見切れてしまう舞台上のセッティングはいただけないと思います。
見えなくても音はばっちり聞こえるので不足がないといえばそうなんでしょうが、せっかく当代一流のミュージシャンを揃えているのだから、工夫してもらいたいものです。

真綾の才能と実力は圧倒的だな、と再認識したツアーでした。
声優としていろいろな意味で前代未聞の領域に達している彼女ですが、今後どんな世界を我々に見せてくれるのか、本当に楽しみでなりません。

【GRANRODEO】G8 ROCK SHOW-FLASH NIGHT@横浜アリーナ2013年04月29日 22時23分

グランロデオのライブは開演前もお楽しみ。
そう、ナイスバディなロデオガールで眼の保養をするのです。
会場がでかくてスクリーンがあるので、スポーツの試合前のように客席に入っているカメラが客を抜いて映すという一幕があったのですが、おかしなコスプレをしているかナイスバディなガールだけを厳選して抜くまさにカメラマンGJ。
会場がどよめいたのが、Iカップぐらいはあろうかという、まさに雑誌のグラビアから抜け出たような爆乳のガールの乳を後ろから女友達が揉んでいる姿がアップになったとき。
あれは上がりましたねw。
その他にも、プリキュアみたいなガチコスしたガールや、スパイダーマンなど、見ていて飽きることがありません。

さて、肝心のライブもこれまた最高。
きーやんは好不調の波が大きく、不調のときは歌はともかく勢いだけで突っ走って乗り切っちゃう、みたいな感じになるのですが、この日は至って絶好調できーやんのセクシーなボーカルを心ゆくまで堪能することが出来ました。
瀧田さん完全復活もうれしかったですね。
ギターと見紛うばかりのメロディアスなベースがあってのグランロデオのライブなので、やっと本来の音が戻ってきたという感じでした。

セットリストもなかなか最近歌われることがなかった昔の定番曲も交え、割と早い段階からのファンとしてはうれしいものでした。
やはりいつ聴いても「21st century lovers」はテンションが上がります。
オーラスが「modern strange cowboy」というのは珍しい構成だったように思いましたが、最後の最後でぶっ壊れて終わるというのもなかなか清々しいものでした。

演出も凝っていて、新曲「偏愛のロンド」ではアニメ「カーニヴァル」の主題歌ということで、ダンサーさんがシルク・ド・ソレイユ風の幻想的なパフォーマンスを見せてくれたり、おきまりのギターソロではあろうことかギターに花火を仕込んで客席に向けて打ったり(客席に向けたのはハプニングだったようですが)、「桜色第2ボタン」では大量のピンク色のライブのロゴ入り風船が降ってきたりと、盛りだくさんでした。
こうした演出も変にごてごてしておらず、センスがいいので大変楽しめます。

ファンのスキルも高いのがこの現場の素敵なところ。
「SUPERNOVA」のBメロは5/4拍子なので腕振りを合わせづらいのですが、長めの2拍と短い2拍を組み合わせて巧みに揃えてしまいます。
変拍子なのにみんなの腕がぴったり揃っているのはなかなか壮観です。

とにかく楽しくて、久しぶりにテンションが上がりまくってライブ中ずっと右腕を振ってました。
グランロデオはやっぱり僕のライブ人生には不可欠なアクセントです。
コニファーも申し込んじゃいましたよ、ボッチだけどな。

山中千尋Trio@ビルボードライブ東京2013年02月27日 23時29分

パーソネルは前日の水戸と同じ。
2130開演という、完全にオトナの時間のライブステージ。
ではしっとりしているのかととんでもなく、ぐいぐい振り回されるすごいライブでした。

とにかく千尋さんは力の限り飛ばす飛ばす。
前から2列目、千尋さんの手元・足元がばっちり見えるポジションをゲットできたので、ずっとガン見していたのですが、逞しい筋肉をばっちり拝むことができました。
二の腕まで逞しくていらっしゃって、萌えました。
興が乗ると、まさにリアル1秒間16連打の世界で、酔っぱらっているヒマなど全くありませんでした。

ぶっ飛んだのが「SING SING SING」。
岡田さんの、ベニー・グッドマン楽団のジーン・クルーパばりのパワフルなドラムソロで始まり、これは往年のビッグバンドスタイルで行くのかと思いきや、とんでもないモダンスタイル。
めまぐるしい転調と変拍子についていくのが大変。
涼しい顔で急な拍子の変化にも対応する岡田さんがめちゃめちゃかっこよかったです。

「Liebesleid」では、東保さんが少し長目のソロを取り、そろそろ戻りますよというアイコンタクトを千尋さんに送ったにもかかわらず、千尋さんはしばらく泳がすかのように素知らぬ顔。
すると東保さんも何事もなかったかのようにソロプレイを続行。
もう少しソロが続いた後、ふとしたタイミングで千尋さんが引き取ってトリオのプレイに移行。
間近で見ているとプレイヤーの息づかいまで伝わってくるので、すごくスリリングでした。

「エリーゼのために」は、前日にもましてへんちくりんな不協和音が盛られていて、思わず吹いてしまいました。
千尋さんはベートーヴェンが嫌いなようですが、だからこそのアレンジでしょう。

MCでの夢の話が僕にはツボでした。
飛行機が好きだという千尋さんが、ある日新しくできたその名も「相田みつを空港」に招かれます。
そこにある飛行機には全て「にんげんだもの」と書かれてあり、名前も「にんげんだもの号」。
千尋さんが、にんげんだもの号が故障したらどうするんですか、と係の人に訊いたら、返ってきた答えが「にんげんだもの」。
さすがに千尋さんも「乗りたくないなあ」と思ったそうです。
ちゃんと「ADM」という空港コードまであるんだとか。
演奏に入ると女舞踏家のごとき雄々しさなのに、素はかなり天然な人で、そのギャップがまたたまりません。

3/17は神奈川県民ホールでのライブ。
ホールでの千尋さんはまたひと味違うので、これまた楽しみです。