山中千尋Trio@ビルボードライブ東京2013年02月27日 23時29分

パーソネルは前日の水戸と同じ。
2130開演という、完全にオトナの時間のライブステージ。
ではしっとりしているのかととんでもなく、ぐいぐい振り回されるすごいライブでした。

とにかく千尋さんは力の限り飛ばす飛ばす。
前から2列目、千尋さんの手元・足元がばっちり見えるポジションをゲットできたので、ずっとガン見していたのですが、逞しい筋肉をばっちり拝むことができました。
二の腕まで逞しくていらっしゃって、萌えました。
興が乗ると、まさにリアル1秒間16連打の世界で、酔っぱらっているヒマなど全くありませんでした。

ぶっ飛んだのが「SING SING SING」。
岡田さんの、ベニー・グッドマン楽団のジーン・クルーパばりのパワフルなドラムソロで始まり、これは往年のビッグバンドスタイルで行くのかと思いきや、とんでもないモダンスタイル。
めまぐるしい転調と変拍子についていくのが大変。
涼しい顔で急な拍子の変化にも対応する岡田さんがめちゃめちゃかっこよかったです。

「Liebesleid」では、東保さんが少し長目のソロを取り、そろそろ戻りますよというアイコンタクトを千尋さんに送ったにもかかわらず、千尋さんはしばらく泳がすかのように素知らぬ顔。
すると東保さんも何事もなかったかのようにソロプレイを続行。
もう少しソロが続いた後、ふとしたタイミングで千尋さんが引き取ってトリオのプレイに移行。
間近で見ているとプレイヤーの息づかいまで伝わってくるので、すごくスリリングでした。

「エリーゼのために」は、前日にもましてへんちくりんな不協和音が盛られていて、思わず吹いてしまいました。
千尋さんはベートーヴェンが嫌いなようですが、だからこそのアレンジでしょう。

MCでの夢の話が僕にはツボでした。
飛行機が好きだという千尋さんが、ある日新しくできたその名も「相田みつを空港」に招かれます。
そこにある飛行機には全て「にんげんだもの」と書かれてあり、名前も「にんげんだもの号」。
千尋さんが、にんげんだもの号が故障したらどうするんですか、と係の人に訊いたら、返ってきた答えが「にんげんだもの」。
さすがに千尋さんも「乗りたくないなあ」と思ったそうです。
ちゃんと「ADM」という空港コードまであるんだとか。
演奏に入ると女舞踏家のごとき雄々しさなのに、素はかなり天然な人で、そのギャップがまたたまりません。

3/17は神奈川県民ホールでのライブ。
ホールでの千尋さんはまたひと味違うので、これまた楽しみです。