【宝塚】月組大劇場公演「エドワード8世/Misty Station」2012年02月13日 22時40分

宝塚では現代の実在の人物を扱うことも珍しくなく、かつては一路真輝の雪組で「JFK」というミュージカルがかかったことがありますし、少し前でも白州次郎とマッカーサーを扱ったミュージカルが演じられました。
このお芝居は、在位わずか1年に満たなかった、英国王室の先々代の王、エドワード8世のいわゆる「王冠をかけた恋」を描いたものです。

タイトルと、ポスターの写真からウエットな恋物語を想像して、泣く気満々でいたのですが、実際には割と乾いた大人のラブストーリーでした。
演技派のきりやん(霧矢大夢)とまりも(蒼乃夕妃)は実に洒脱に演じていましたが、もうちょっと二人の愛は情熱的であって欲しかったなあ、と思いました。
個人的な好みですが。
怜悧を装いつつ、最後の一瞬に激しい情熱がかいま見える、みたいな展開を期待していたので、その点では若干欲求不満無しとはしないです。

大好きなみりおがかなり儲け役だったのはうれしかったです。
3番手、というよりは2.5番手くらいの扱いだと思います。

その代わり、ショーは大満足。
何度も書いていますが、まりものダンスはとても力強くて惹きつけられます。
基本的に娘役の踊りは男役を引き立てるものですが、まりもは自分一人で場面を作ることができます。
母に聞いても、娘役のソロダンスなんて見たことがないと言いますから、異例の才能なのだと思います。

圧巻は、まりもが孤高の女戦士として、剣を持ってみりお扮するモンスターと戦うダンスの場面。
まりものダンスがあまりにも素敵で、みりおを見たいのにそちらに視線を割く余裕がありませんでした。
3回見て、3回ともそんな状態でした。

音楽は古今の名曲で構成されているのですが、とある場面では、いきなりきりやんが「魂のルフラン」を歌い出してビックリ仰天。
初めて見たときはただ茫然としていて、後ろでロケットがラインダンスをしていたのにも気が付かなかったほど。
アニソンが宝塚で歌われる日が来ようとは思いもよらなかったです。

まりもは僕が知る最高の娘役、花總まりに匹敵する素晴らしい娘役だと思います。
まだ若いので、もうちょっとやってくれればと思うものの、きりやんとすごく仲が良さそうなので、辞めるときは一緒と決めていたのでしょう。
東京でもしっかり二人の姿を眼に焼き付けたいと思います。