業界の話2011年10月01日 11時51分

唐突ですが、即席麺業界の話でも。

国内の即席麺市場の規模は、約53億食、金額では約5000億円。
各メーカーのシェアは、日清食品が40%、東洋水産が20%、残りの大手3社を合わせると、5社で90%近いシェアとなります。

2007年までは売り上げを稼ぐための廉売合戦が行われ、チラシ特売では大手各社の主力品が1食69円などという状況が日常茶飯事となっており、食数ベースでは好成績なものの、利益は上がらないという典型的なデフレの悪影響を受けていました。

転機は2008年。
原料コストの高騰を理由に1月に17年ぶりの値上げを敢行します。
これはスムーズに店頭にまで浸透し、店頭売価の底上げに寄与しました。
食数は大幅に落ち込みますが、利益を取れる体質を取り戻します。

以降、各社は再度消耗戦に陥ることを避けるため、商品開発による新たな価値訴求を活発に行うようになります。
日清食品は麺の革命を謳い、どん兵衛のリニューアルや、「太麺堂々」「カップヌードルごはん」「ラ王(ノンフライ麺)」「スパ王(ノンフライ麺)」など新タイプの麺を使った商品を打ち出し、10月に発売される新しい「太麺堂々」で第6世代の麺としています。

東洋水産は、和風麺に使用しているかつお節を無殺菌のものに変えてだし感をアップ、季節ごとに旬の素材を使用する「四季物語」ではカップ麺売り場で季節感を表現し、「昔ながらのソース焼そば」には特許出願中の新製法の麺を投入。
11月には袋麺の大型新商品「マルちゃん正麺」を発売し、近年にわかに活況を呈している袋麺市場に一石を投じます。

サンヨー食品は「サッポロ一番」ブランドの新商品「担々麺」に続き、新ラインを増設して「ちゃんぽん」を投入、カップでも大盛りのさらに上を行く「キングカップ」を投入して大きな話題を呈しています。
明星食品も「チャルメラ」ブランドに担々麺とちゃんぽんを投入。新製法の麺を用いた「究麺」ブランドを軌道に乗せ、業界で初めて縦型ビッグサイズにノンフライ麺を使用するなど、以前の「安売りメーカー」というイメージを払拭しています。
エースコックはカップ焼そばの新機軸「JANJAN」を発売、ウィークポイントだった袋麺においても、麺に米粉を10%使用した「新麺組」を発売し、順調に売り上げを伸ばしています。

各社ともに10億円単位の設備投資を積極的に行い、次々と画期的な商品が生まれています。
その甲斐あって、デフレ進行下にあっても廉売合戦に陥ることなく、各社堅調な実績を上げています。

即席麺業界は、食品に限らず様々な業界を見渡しても、健全な競争原理が働いている、元気な業界と言えると思います。
震災以前から好調でしたが、図らずも震災によって改めてその価値が見直され、さらに弾みがついた感もあります。
今後の展開が注目されるところです。

コメント

_ stacypolle.blog.fc2.com ― 2017年08月01日 13時59分

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