【坂本真綾】LIVE TOUR 2011 “You can’t catch me”@中野サンプラザ初日2011年04月01日 00時31分

中野サンプラザは、僕が敬愛してやまないチューリップがホームグラウンドとし、バンド最期の日もここでのライブだったという、因縁浅からぬ場所。
ライブオタになってからも、どういうことかここには縁がなく、結局今回が初めてでした。

あまりの音の良さにびっくり。
1階最後部のセンターという位置が関係していたのかもしれませんが、解像度が抜群で、バックコーラスと真綾のハーモニーがきちんと層になって聞こえるなど、クラシック専用ホールで聴くような明瞭さに本当に驚きました。

この日は電源車を持ち込んでのライブということで、街の様子同様薄暗いライブになるのかと思っていたら、そこはそんなことはなく、ライトワークはそれまでのままでした。
工場勤務が長かった者から言わせてもらえば、ライブで使う電力なんて大したことないですよ。

真綾は絶好調。
この日は度肝を抜かれた大阪のさらに上を行く出来。
音が良かったせいもあって、真綾の歌の隅々まで堪能しながら、チューリップや財津さんと並んで、一番心の深いところから揺さぶられるのが真綾の歌であるという想いを強くしました。

また、歌っているときの立ち居振る舞いがこれほど美しい歌い手はいないと思いました。
表情もそうですが、舞台上での所作一つ一つに意味があります。
舞台人としての素養が遺憾なく発揮されていると思います。

「光あれ」という曲が持つ力は、本当に途方もないものだと改めて思いました。
泣くのとは違うけれども、涙が止まらなくなりました。
こういうのは生まれてから二度目の経験です。
これほどの歌を歌える歌い手と、デビュー当初から15年以上付き合ってこられたことは、本当に幸運だったと思います。

この曲の大サビ以降、真綾を以てしても歌うので精一杯なのに、真綾は一生懸命客席に手を振ってくれます。
想いの強さ、深さに、胸打たれずにはおれません。

ラストは「ポケットを空にして」の大合唱。
チューリップを信奉する者としては、ライブのラストの曲が固定で、しかも客席のみんなで大合唱というパターンには弱いのです。
しかもそれがデビュー当初の曲であればなおさら。
みのりんもライブのラストは「純白」の大合唱固定でいいと思います。

故郷東京でのライブということで、MCにもよそよそしさがありませんでした。
傷ついた人を助けるには、まず助ける側が元気でなくてはならない、という真綾が出した答えには、賛否両論あるのかもしれませんが、僕は全面的に支持したいと思います。

みのりんは大好きだけど、共感できるのとはちょっと違う。
でも、真綾には歌も、その周辺のことも含めて共感できる。
どっちがどうということではなしに、そのことを改めて実感しました。

話は変わりますが、真綾ファンはもっと立ったり座ったりしてもいいと思います。
穏やかな曲では座っていて、いざってときにがばっと立ち上がった方が、より盛り上がるというのは確かにあります。
チューリップのファンは、年だからずっと立っているのが辛いというのが最大の理由ではありますが、訓練のされ具合がハンパでないので、軍隊のごとき有様で、一斉に立ったり座ったりします。
この辺は、もっとライブを重ねていくごとに練れていくところかもしれません。