【宝塚】雪組大劇場公演「ロミオとジュリエット」2011年02月01日 00時06分

フランスで10年前に上演され、大ヒットしたミュージカルの翻案。
シェイクスピア劇だとかどうだとか小難しいことは抜きにして、非常に面白かったです。

とにかく各キャラクターが非常に立っていました。
もうロミオが可愛くて可愛くて。
音月桂は線の細い男役ですが、陽性の少年の役なんかはぴったり。
二次元なんかいらない、と思えるくらい。
早霧せいなのマーキューシオは繊細で紙一重な暴れん坊、未涼亜希のベンヴェーリオは沈着冷静なワル、と二人のタイプの違う年上の友人二人といちゃこいてる姿は実にけしからんかったです。
二人もたぶらかして、とんだビッチです。

キャピュレット家のティボルト役の緒月遠麻は骨太な男の色気満点で、色っぽかったです。
脇がしっかり固まっていたのが良かったですね。
ジュリエットの乳母は男役が扮しており、さすがにスケールが大きくて、大正解だったと思います。

また、キャラではなく、場の空気の象徴として「愛」と「死」を具現化した二人が、それぞれの意味を科白無しでダンスで表現するんですが、この二人が良かったです。
「愛」役の大湖せしるは男役ながら女性の恰好をしていたのですが、びっくりしたことに胸がすごく大きい。
EとかFとか、そういうレベルだったように思います。
長身でスタイル抜群、女性として素晴らしいとは思うものの、普段男役をしているときはどうやってしまっているのだろう、と思ってしまいます。
よくサラシを巻くなんて言いますが、本当にそうしないといけないでしょう。
男役とは思えないほど繊細な踊りで、見とれてしまいました。

「死」役の彩風咲奈も素晴らしかったです。
舞台の隅でちょっとした仕種をしながら、中央の人物を眺めていたりするんですが、その表情がものすごく色っぽく、ついついオペラグラスがそちらに向いてしまいました。
スタイル良いし、踊り上手いし、この子伸びるんじゃないかなあ、と思っていたら、研4で新人公演のトップに抜擢されていました。
納得です。

え、ジュリエット?
ああ、そんな女もいましたね。
今回役代わりで2人のジュリエットがいるんですが、僕が見たときは研2のちょっと野暮ったい娘でした。
ぽやんとした娘という設定には合ってるのかもしれませんが、きれいなわけでも、特に歌が上手いわけでもなく、ほとんど印象に残らなかったです。

トップが断トツですごい舞台も良いんですが、脇役が立っている舞台も見ていて楽しいです。
久しぶりに味わう満足感でした。