理想のボーカル2009年04月17日 00時07分

また親父の作ったものを褒める話になってしまうのですが・・・。

先日愛用のパワーアンプが壊れたようだ、とその作者である親父に相談したところ、じゃあ家にあるもう一台を持っていくか、という話になり、みのりんの新潟公演の後車を飛ばして実家に帰り、それまで使っていたアンプを返し、新しいのを持ち帰りました。
(親父の名誉のために付け加えると、以前のアンプも壊れたわけではなく、僕のスピーカーとの接続の仕方が悪かったためにまともな音が出なかっただけでした)

で、その新たにもらい受けてきたのが、ウエスタンエレクトリック社が1936年に開発した300Bという名真空管を使用したパワーアンプ。
(実際に搭載しているのは中国製のレプリカ。本物はとてつもなく高価です)
3極管結合のシングルで、パワーは8Wほどとのこと。

これがめちゃめちゃいい音なんです。
打楽器の厚みなんかはいささか欠ける嫌いがありますが、中高音域の豊かさがハンパじゃありません。
つまりボーカルがハンパなく美しいということ。

みのりんの声は、キラキラという表現が最もぴったりきます。
がつんとくる迫力はありませんが、聴いていて幸せな気分になるボーカルです。

真綾の声はしっとりとした艶と深みが増し、ぞくりとします。
「私は丘の上から花瓶を投げる」は鳥肌が立ちました。

特筆すべきはSuaraさん。
「太陽と月」を聴いたときは、鳥肌が立つと同時に視界が滲みました。
あまりにもリアルで、目の前でSuaraさんが歌っているようです。

男性ボーカルはふっくらと豊かな感じになります。
財津さんも小田さんも柔らかな声になり、とても僕の好みです。
きーやんの声もエッジが効いているというよりはやや甘い感じになりますが、僕は好きな響きです。

一方で、下手なエフェクトがかかっているような録音はそのアラが裸になってしまう傾向にあり、奈々さんの『GREAT ACTIVITY』はかなりその傾向が強いです。
奈々さんについては、パワーでゴリゴリ押す方が良いようです。

また、ピアノの音が怖ろしくリアルで、例えばキース・ジャレットの『ケルンコンサート』は、まさに目の前でキースが弾いているようにしか聞こえません。
これにはビビリました。

クラシックは特に弦が豊かに聞こえますし、金管は逆にかなり華やか。
メリハリがくっきりしつつも、音の輪郭が立ちすぎず耳に優しい聞き心地です。

声楽曲なんかはかなり良いです。
僕が持っているヘンデルの『メサイア』はソプラノパートがボーイソプラノによって歌われる盤ですが、天使の歌声はあまりにも神々しく、濁った心が浄化されるようです。

音が大変クリアなので、エッジは立っていなくても角が取れているという印象はなく、KRAFTWERKやUnderworldの音楽もソリッドな肌触りが失われることがありません。

とにかく、人の声を聴くという点では、理想的と言っていいと思います。
様々な魅力を持った歌が、その魅力を損なうことなく部屋いっぱいに響きます。
今までいろいろと試行錯誤してきましたが、一つの到達点に至ったという気がしています。

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