日本橋ヨヲコ『少女ファイト』・山本直樹『レッド』2007年09月24日 22時17分

昨日今日と連休。
二日で20時間以上寝たら、心身共にだいぶ回復しました。
鬱には一も二もなく睡眠ですね、やっぱり。

元気になったらマンガが欲しくなり、この二作を手に取りました。

『少女ファイト』は2巻をだいぶ前に買ったのですが、日本橋ヨヲコの作品は元気なときに読まないとこちらが作品に負けてしまうので、しばらく読めないでいました。
所用あって書店に行ったら3巻が新刊で出ていたので、それと合わせてまとめ読み。

日本橋ヨヲコの本領発揮。
前作『G戦場ヘヴンズドア』は、マンガ製作の現場が舞台ということで、自分が身を置く世界を描くということが裏目に出た感じでしたが(言いたいことがやや空回りしている感が否めませんでした)、スポ根という題材は厭味なほど彼女の作風にマッチしていて、びんびんエネルギーが伝わってきます。

どこまでも真っ直ぐで不器用な日本橋作品のキャラたちは、見ていて痛々しいほどですが、しかし打算なしで人を信じ、泣き笑う彼らは、ヒールの役回りを担うキャラも含めて、みな愛おしい存在です。
3巻ではまだまだ序の口、一通りのキャラ説明が終わった段階に過ぎません。
『テニプリ』なんかとは真逆の、人間対人間の真剣勝負がどんなふうに展開されていくのか、眼が離せません。
ううむ、イブニング読むか?

『レッド』は、あの山本直樹が60年代末から70年代前半にかけての革命闘争を描くというので、内ゲバが内ゲバを呼ぶ血みどろの党争劇、鮮血と精液の飛び交うエロ・グロ・ナンセンスを期待していたのですが、至極大人しい作品で正直がっかり。

セックスとバイオレンスの有無はともかく、彼らの主義主張がはっきりしないのがドラマに迫真性を欠く最大の要因だと思います。
革命に不可欠なのはドグマであり、それこそが革命闘士の原動力な訳ですが、それがどういうものなのかさっぱり分からない。
様々な工作をしている場面は描かれるものの、思想が見えてこないから彼らが目指す革命の全体像も見えてこず、結果何の話なのか自体がぼやけてしまっているという印象です。

ただ、題材としては著しく僕の興味をそそるものであり、気になる作品ではあります。
しかし、次巻の発行が約一年後ってのはどうなんだろう・・・。


あの時代に生まれていたら、僕は間違いなく闘争にのめり込んでいっただろうと思います。
本気で世界を変えると思いこんでいたに違いありません。

その当時のことは、1966年大学入学の父と、1972年大学入学の母からたまに話を聞きます。
すごい時代だったようです。
母は由緒あるミッション系の女子高に通っていたのですが、そんなところでもロックアウトがあったそうですからね。
いずれ詳しく話を聞いて、文章にまとめられたら、なんてことも考えています。